時間の中の迷子(現在とは)

私の大学院の研究課題は現在形だった。認知言語学の観点から英語の現在形とは何かを解き明かす。

これが思ったより大変な作業だった。英語の現在形の使い方には様々な用法がある。過去・現在・未来全て現在形で表せる。

非常に厄介な存在。時間の中の迷子。

現在は時間の中の迷子とは。物理で考えれば簡単にわかる。こちらの現在はあちら側の過去かもしれないし未来かもしれない。

そんなことを考えてたらいっこうに答えが見つからなくなった。

実世界を表すのに言語というツールはどうも自分勝手に時制を決める。これは客観性の欠如といっても構わない。

主観的に人間は過去の出来事を現在起こっているかのように生々しく映し出す。

単純な言語表現と単純な世界の構造だけを見つめていればあれほどまでに悩まずにすんだだろう。

でもそれができなかった。でもそれでよかったんだと思う。時間という概念は簡単には解き明かせるものではないと最近になって知った。

「時間生成学」か。なるほどこんな研究領域があったのか。

「人の作り出す時間は物理とは一致するとは限らない。」

ほんと厄介な問題だ。ただの大学院生だった私にはスケールが大きすぎたんだ。

でも研究が進むといいな。いつか私も研究者として名を連ねたい。

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