真谷優の大学留学記5「休暇」

今日は大学が休みなのでベルリンあたりに繰り出している。しばらく歩いているとカラオケ店を見つけた。ちょうどいいなにか歌おう。
店内に入り、エントランスで5ユーロの料金を払い曲の検索をして順番が回ってくるのを待った。
店内はいわゆるバータイプで、沢山の人がいた。

20分くらい待ってようやく出番が回ってきた。
歌う曲は某小学生の姿をした超人死神探偵の最初期のop曲のドイツ語版だ。
ここドイツに来てからこういう娯楽に手を出してなかったし、緊張するなぁ……
気を引き締めて歌うか。



歌い終えると盛大な拍手が起きていた。
《ありがとうございました》
《君歌上手いね!習ったりしてるのかい?》
《いえ、習ったりはしてないです》
《そうだ、君の名前を教えてくれよ》
《ユウ・マミヤです》 
会話が盛況になったところでカラオケ店を出る。
やっぱり歌うのっていいな。ストレス発散にもなるし。なんだか喉が渇いてきたな。
この近くにショッピングセンターがあったはずだからそこで何か飲み物買うか。
そういえばドイツでは16からビール飲めるんだったな。郷に入っては郷に従えだ。ビールでも買うか。どれにしようか。おすすめを聞いてみよう。
《すみません、おすすめのビールってありますか?》
《ビールは初めてかい?》
《えぇ初めてです》
《ならベックスがオススメだよ》
《ありがとうございます》
ベックスかぁ……あった。この鍵の絵が描いてあるやつだな。
レジを通して、ショッピングセンターから出る。
そういや栓抜きがないな……どうしよう……
近くにテーブルがあったので、端に蓋をひっかけてビール瓶を開けた。初めてのビールだから緊張するなぁ……。覚悟を決めて瓶を煽った。スッキリとした味わいと僅かな苦味が喉に通った。「意外と美味しい……けど程々にしないと」間隔をあけながら少しずつ飲み干し、空になった空き瓶を酒屋に持っていき、デポジット分のお金を受け取った。
「初めてのビールだったけど結構美味しいんだな」そんなことを思いながら風が吹く5月のベルリンを歩いた。

























 





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