真谷優の大学留学記35「パニック」

ない。ないないない。あれ?どこやったけ……。
朝起きて、ふと気づいたら左耳につけていたイヤーカフがないのだ。高校生の時からずっとつけてるから落ちるなんてことはありえないんだけどな……。とりあえず家の中くまなく探すしか……。
「どこ行きやがったんだほんまに……」ベットの下辺りや、机などありそうなところを探したけどなかった。「これはかなりやばい……早く見つけないと……」家の中をくまなく探していると後ろから声をかけられた。《ユウ?どうしたの?》声の主はアグネスだった。《朝起きたら、左耳に着けていたアクセサリーがなくて今探してるんだよ》そういうとアグネスはズボンのポケットを探った。《もしかしてこれのこと?》その手にはまさしく僕が探していたものがあった。《どこにあったの?》《それが……ユウが寝てる間にヴェルナーが外したみたいで……》ヴェルナーの仕業だったのか……《そう……なんだね。 取っておいてくれてありがとう》アグネスの手にあるイヤーカフを手に取り、慣れた手つきで左耳に着けた。《見つけてくれてありがとう。 アグネス》
《こちらこそ》

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