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“ナチュラル”の概念がかわる!〜サステナブル・ミート、サステナブル・シーフード <#2018.11.6 業界向けコラム更新記事>

(本記事は、掲載当時のまま掲載しています)

ナチュラル&オーガニックにも言えることですが、各産業で、環境配慮型、サステナビリティー、SGDsなど新しい視点が取り入れられています。
持続可能な産業開発として、最近食品業界において、サステナブル・ミートやサステナブル・シーフードというワードが広く知られるようになりました。
いわば、“ナチュラル”の概念がかわる、新しい視点です。

たんぱく質の摂取において、plant-basedの流れが進み、ある意味“肉離れ”が起きていました。
飼料や土壌をナチュラル&オーガニックにするというものだけでなく、新しい考え方として「サステナブル・ミート」が出てきました。
近年、インナービューティー先進国では、plant-basedプロテインは、よりクリーンでピュアなものが好まれる市場へと発展しています。 その中で、植物から摂る、または、可能な限り少ない加工プロセスで製造される食材が求められてきました。
畜産業においても、安心・安全(これは人に対してだけではありません)な動物由来プロテイン食材の開発や維持が必要になってきます。

近年、日本や東南アジアなどが中心となり声を上げ続けているのが、「サステナブル・シーフード」です。
以前ニュースなどで大手企業の社内食堂でサステナブル・シーフードが採用されているということが話題になりましたが、水産業では海洋プラスチック問題が多方面で問題定義されています。以前も書いたプラスチックストロー問題もこれによるものですが、これ以外に、魚類の保全や多様性が考慮されるという新しい視点もあります。
それは、天然魚種の保全(妊娠魚をできるだけ取らないことなど:以前翻訳協力した調査捕鯨についての記事もぜひご覧ください)、養殖産業の発展、サステナブル・シーフードとしての認証拡大などが求められているところです。魚を日常的に食する日本では、消費量は世界のトップとなっていることから積極的な環境保全対策が求められていく中で、持続可能な産業開発と消費者への認知が必要になります。

これらはつまり、生物多様性などを含めた環境や共存の視点が多く含まれ、総称して“サステナブル・ディッシュ”とも言われます。どちらも生態系の維持がサステナブルにつながるということで、SDGsのための新しい手法として注目されています。

美容・健康業界においては、化粧品や加工食品などの製品での、調達・輸送方法を含むサステナブル原料の採用が必要なのは言うまでもありません。
植物性原料以外では豚から採取するコラーゲン、魚や海洋植物から採取するマリンコラーゲンや藻類のエキスなどで、SDGsの取り組みとして十分に考慮できます。

また、“ナチュラル”という言葉についての概念も変わると言われています。
これまでナチュラルというと、植物由来、自然のもの(=人工的に加工しない)というのが一般的でした。またそれに付随するものとして、ビーガンやベジタリアンなどの食習慣も入ってきます。持続可能な産業開発が求められている昨今、先述の加工プロセスを最小限にするということや、生物多様性を意識することなども“ナチュラル”という側面があるというポイントです。つまり、「ナチュラル=ビーガン」だけでなく、多角的に“ナチュラル”を追求していくことが今後は求められるでしょう。

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