青島

霧が深い。かつてドイツ人が整備したという緑地と赤い屋根の洋館が整然と並んで、いつか訪れたスコットランドの漁村を思い出した。

霧の海はあの世との境界があいまいで、ふと世界での自分の立ち位置が不明になる。船の汽笛が響き、その感覚はとても心地よい。


いくつになっても私は旅を続ける。つねに新しい想いと出会い、たとえひとつの世界の中にあっても、それはとどまることなく変化し続ける万華鏡。