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コムニ  6

日々はしごく単調なものとなっていた。

朝は完全シャットインの暗闇の小部屋に目覚める。ウィンドースクリーンのスイッチを押すと、いかなる季節であっても朝の太陽が地をわずかにのぞいた角度の光線にさらされた下層界の光景が見えた。そしてぼくは ‘ ああ、また生まれたんだ ’ と感じるのであった。

夜は深く、どこまでも深く、意識を持っていかれそうでこわい。とくにそこに漂うかつてHISTO-VISIONで見せられた深海魚のような姿の船を見るときは。もちろん宇宙線ブロックのためのスクリーンなのだが、ぼくにとっては窓からその光景を消すためのスクリーンなのだ。

スチームバスでリフレッシュしたからだにコップ1杯の水が染み入る。水の手続きに行かなくてはならなかった。もう配給タンクのメモリが残り少ない。それを横目で見ながらも今日は出勤なので仕方なくスーツを着ける。全身フィットしたマテリアルももう10年以上使っているため大分傷みがでている。部のおばさんがこれを見ながら「スーツの傷みで宇宙線が及ぼす身体への害」についてどこかで聞いた情報そのまま、とうとうと語っていたのをふと思い出し苦笑い、打ち払うようにコーティングマントを大身振りで羽織ってドアを出た。




PICTURE:About Steve Johnson | Abstract Expressionist Artist - Art by Steve J



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