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ふれる〜超初心者の茶道 三回目の春

年末にnoteを書いて以来の茶道noteです。
日本の伝統文化の茶道にふれ、少しでも頭の中を整理するためにnoteに書き留めておこうと思います。

季節の移ろいを茶室で味わう、ような優雅な気分から、最近は遠くなっているような気がして、気持ちが落ちつかずどこか気忙しく、頭で考えて集中できていない。普段よりも早起きして着物着て、まさにドタバタしながら修行中です。

あたふたしている私とは対照的に優雅なときをすごしているのは美しい棗や御茶碗などの道具たち、大事に扱われる茶杓、茶室に生けられいる命ある草花。堂々と湯気をあげるお釜の存在感の大きさ。
スッキリと片付けられている狭い空間の中で、見晴らしのいい大自然にポツンと居るような気分になる。

いつも思うのは茶道の世界は広くて深くて、いまだに傍観している部分が多い気がします。
広い海を眺めながら波打ち際の砂浜で波が足にかかるのを冷たいとか温かいとか温度を感じながら立ち止まっている感じです。この場所に来てみたけれど、掴みたくても流れていく、あれっ一体何を掴みたかったのか。何で茶道してるんだっけ?と分からなくなるような。はぁ〜何をいっているんだかー、笑。
覚えたつもりで次から次に忘れていくという情けなさもあります。

焦ってうまくいかない時は深呼吸してみると、いろんな音が静かな茶室に響いている。日常でもいろんな音に耳を傾けると少し落ち着いてくる、それと同じような感覚です。
柄杓を蓋おきに置く心地よい音。
お湯がシューと沸く微かな音。
炭がパチパチ、パチンと弾む音。
柄杓からこぼすお湯のトロトロと柔らかい音。
畳の上を歩くシュッシュという音。

茶道の時間は忙しい日常とは違う特別な時間と思うこともあるけど、無駄なものが一つもなくすっきりと整理された空間が私の日常にあればどんなに気持ちがいいかと思う。

3月の釣釜(つりがま)

茶道では11月から4月までが炉の季節という。畳の下に備え付けられている小さな囲炉裏が作られ、中に灰が敷いてあり、その上に炭をついで釜でお湯を沸かす。
2月の極寒の時、炉を大きくきって少しでも客に炭火の暖かさを感じてもらおう、と考案されたのが大炉。通常の炉に比べて四寸(約12センチ)大きな一尺八寸(約54.5センチ)の炉がきられる。炉を少し覗くだけでほんのりと赤い炭火が見え、暖かさが茶室に広がる。

炉の季節も終わりに近づく3月になると、少しの火で湯が沸くように小釜で釣釜を使用する。
五徳に据え置いた釜と違って天井に打たれた釘に鎖で釜を釣り下げている「釣釜」は、点前中も少し触れるとゆらゆらと揺れる。ゆらりと揺れる釜の蓋を畳んだ帛紗でなかなか開けられず、これがとてもとても苦労した。柄杓で湯を汲むのも置くのも不安定で大変。
3月の釣釜は春風や陽炎をイメージしているものだそう。部屋全体から風を感じる春の風情を表す茶室はお客さんとしてお茶をいただく時はとても好きでした。

4月の終わりに炉を塞ぎ、5月から風炉へとかわると、茶室に風が通りぬけ障子から射す春光で季節が巡ったことに気づく。
ある日突然冬から夏にはならないように、茶室の中も季節にあう道具を使いながら少しずつ形を変えて季節の移ろいを楽しむ。
着物も袷(あわせ)から単衣(ひとえ)へと衣替えの準備をする中で、早くも涼しさを求める気持ちが加速していく。



掛け軸


【花半開酒微醺 】(はなはんかいさけびくん)

"花は半開を看(み)、酒は微醺(びくん)を飲む。"という禅語。中国の古典からきているようです。
花は半開、酒はほろ酔い、それでこそ最高の趣というもの。
常に満ち足りたところを求めることなく、ほどほどのところで満足して楽しむのが大事、ということのようです。



雨収山岳青】(あめおさまりてさんがくあおし)

中国北宋代、『日出でて乾坤輝き、雲収まりて山岳青し」という句に基づく。

降りしきる雨、あるはずの景色や物も観えないが、一旦雨があがると、前方に夏の山がいつもの通り青くくっきりと現れてくる。
自然の清々しい光景を表した言葉ですが、煩悩が消えていく悟りの境地を表した意味もあるそうです。
先生宅にかけられた掛け軸は、山の青さがくっきりと現れるような堂々とした力強い筆で書かれた掛け軸でした。


【夏衣たちし時よりあしびきの
  山ほととぎすまたぬ日ぞなき】

色紙に涼しげに書かれた和歌は、季節を感じる空間を作ってくれるようです。
源実朝による四季のうた夏バージョンのようです。

行雲流水】(こううんりゅうすい)

この禅語は、どんな事がらが身に起こっても、物事に執着せず,雲のように行き、水のように流れるように自然のなりゆきに身をまかせ、自由な心を表現している。
また,とどまることなく自然に移り変わって淀みがないことの例え。


茶花



1月から3月は花入に多種の椿が登場しました。
毎回違う名前の椿を見せてくれますが、目の前の椿の名前など、いっこうに覚えられません、、苦笑。
冬のある稽古日、朝はしっかりと閉じていた幾重にも重なった椿の花びらが午後を過ぎたころ、ほろっとゆるみ、ぽっと口を開ける瞬間がありました。
とても心地のいい時間の流れを思ったひとときでした。

オオバアカメガシワ(大葉紅柏)と椿
唐津焼のヘンコ(扁壺)


"誰が袖椿と花筏"
花筏(ハナイカダ)は葉の真ん中に小さな花をつける。その姿を写真に収めたくて近距離撮影。


ヒメヒオウギ(姫檜扇)

ニワフジ
花びらが並んでる姿が面白い


シチダンカ(山アジサイの一種)
花入はちまきの形をした煤竹




**




茶道を始めて3年目に入りました。
相変わらず間違えてばかりで失敗ばかりですが、なんと!来月の茶会でお点前をすることになりました。
茶会でお点前⁈
んんん?どういうこと⁈
先生が淡々とお話されていることがうまく飲み込めず、キョトンとしている私を見る周りの目線が気になる。エールを送ってくれてるようにも見えるけど、他人事と思ってみんな静かに笑っているようだし、自分じゃなくてよかったと明らかに安堵してる。
今までお茶会には、大勢の中のお客様でしか参加したことないし、今回初でお運びなどのお手伝いはやってみますとは伝えたものの、大勢の前でお点前するって、、到底ムリなんですけどーーーーー‼︎


「来週と再来週、やってみましょう。」
先生は呆然と座っている私の前にサッサと座られ、「順番です…」そう何かおっしゃってにっこりし去っていかれた。

本当に大丈夫だろうか、当日早朝から着物を失敗なく着れるだろうか、髪をゆえるだろうか、お点前の順番を間違えなくできるだろうか、抹茶をうまく掬えるだろうか、お茶をうまくたてられるだろうか、足が攣らないだろうか、、、
そろそろ真剣に覚えなさい!ということだろうか。"風炉の平点前替え茶碗"という基本的なお点前だからなんとかなるような気もするけれど、困ったーというのが本音。


最後まで読んでいただきありがとうございます♡

玄関に飾られた
"ワスレナグサ(勿忘草)"と"サラサウツギ"
勿忘草は華麗な春の小花






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