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世界大会に出た同級生

同級生のSくん。
小柄だけど いつも元気いっぱい。
けーすけのことも可愛がってくれてしっかり者のリーダータイプ。
同じクラスの女の子が帽子を通学路で落として 気を利かせたご近所さんがちょっと高い場所に帽子を引っ掛けてくれていたことがあった。
帽子があるのに気付いた女友達が 私にお願いをする。
「高いところにある帽子に届かないから、取りに来てくれる?」
女子は合理的な考えをする。 お安い御用。
でもけーすけがそこまで歩くのはしんどいので 自転車で出直して現地集合にした。

するとちょうど居合わせたSくん。
「オレが取ってやるよ!」
一段高くなった段の上にあるフェンスの上に引っ掛かっている。
…結構高い。
Sくん、ジャンプするも届かず。
下手すると怪我させてしまうかも。そう思った母、ヒョイと取ってしまった。
大人気なかったかな。
もう少し下に下げて取って貰えばよかったかな。

「おばちゃんでもギリギリの高さだったから取らせてもらったよ」
とフォローだけして お礼を伝えた。
Sくんは「気にしてないし。取れてよかったやん」くらいの風を吹かせていた。
なんとなくだけど 懐の深さを見せた彼。

やんちゃだけど、肝のすわっているどこか肝が据わっている彼。
なんでなんだろう?と気になっていた理由が最近分かった。

少林寺拳法を嗜んでいるらしい。
それも世界大会に出たらしく「表彰されてたよ」と兄たちからの情報で知った。
本人に翌日聞いてみた。
「Sくん、少林寺拳法やってるんだね。」すると彼はニヤリとしたものの
照れたのかその場を走り去ってしまった。
私の勝手な想像だけど、武道を嗜む人って自分の強さをひけらかさない傾向があって 親御さんや師匠から言われた約束を頑なに守っているのではないか。
だとしたら、素敵だな。と思う母なのであった。


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