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ママ建築士が勧める「家時間」の考え方

みなさん、長期にわたる「外出自粛」期間、どのようにお過ごしですか?

私は「時間があったらやりたい」と思っていたことを片っ端からやっているので、意外と時間がなくて困っています。でも、忙しくはせず、いつもより仕事時間を減らして、この先「外出自粛」がさらに長引いても生き抜けるよう穏やかに過ごしています。

家で過ごそう、stay home、おうち時間 などのことばがよく見られるようになりましたが、私が手掛ける住宅設計でも必ず家で過ごす時間「家時間」について伺います。家で過ごす時間について色んなアドバイスや提案がありますが、本当に必要なのは自分にとっての「家時間」を知ることだと思っています。

今回は、その「おうち時間」の考え方について、今までのクライアントや相談者へのヒアリングを通して感じたことを書きたいと思います。

「家時間」を問う

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2009年にオリジナルのいえづくりノート、住まいの夢を綴る「myhomebook」をデザインし製作しました。この中にも設けたのが

・現在の家時間
・未来の家時間

のページです。普段家でどのように過ごしているか。その時間帯にどの場所でだれが過ごしているか。そして近い未来の家族は、家でどのようにすごしているか。

簡単なようですが、現在の家時間を実際の通りに箇条書きにすることはできても、未来の家時間をイメージできないという人が多いのです。

「将来の家時間ってみなさんどうやって考えているのですか?」

という人がいるくらいです。


与えられた暮らしではなくて、自分たちの暮らし方

〇LDK、〇㎡(坪)というように面積で考え、リビングにはソファとテレビボード、ダイニングにはダイニングテーブルセット、という一般的な暮らしのスタイルから自分たちの家をイメージする方が多いので、自分にとってどう暮らしたいか、というイメージを持ったことがない、どう考えたら良いのかという人が思った以上に多くて驚きます。とくにここ数年、増えた気がします。それくらい表面的な暮らし方にとらわれているのかもしれません。

家事がラクになる家をつくりたい、という人は「自分の家事のスタイル」に合わせた家を作った方が良いですし、リビングで家族の時間を楽しみたいという人には「リビングでどう過ごすと家族の時間が楽しいのか」という点を聞かないとそのような家は作れません。

リビングのソファでごろんと横になりたいお父さんと、リビングのソファでごろんと横になりたいお母さんがいたら、二人がごろんと横になれるソファでないとリビングで家族で過ごす時間を楽しめない、と思いませんか?

お父さんだけソファでごろんとしていて、お母さんは料理作っていて!と言われたら嬉しくないお母さんもたくさんいると思うのです。


「外出自粛」は心地よい暮らしを考える良い機会

今回の「できるだけ家で過ごそう」「外出自粛」となった、この期間は「心地よい暮らし」を考えるよい機会なのではないかなと思います。こんなに家の中に、家族が長い時間を過ごす機会はめったにないことでしょう。

一緒に過ごすことは、楽しいことばかりではなくイライラすることもあります。家にいろんな「居場所」をつくって、状況に応じて気分転換で居場所を変えるのも良いでしょう。「居心地の良い場所」に対しては共通点がありますが、まずは自分が心地よいと感じる場所があればそこに椅子を置く、クッションを置く、ラグを敷くなどの方法で「居場所」にしてしまえば良いと思います。

「居心地の良い場所探しあそび」について、以前コラムで書きました。

また、リビングなどにファミリーワークスペースをつくろうという記事も書いています。


ここで気を付けて欲しいのが、居心地の良い場所を探し、心地良い暮らしをつくるために「がんばらない」ことです。

がんばりすぎると、この「外出自粛」の長期戦に耐えられなくなりますからね!気分転換として、少しずつ、取り組んでみてください。

これは大掃除や模様替えも同じです。いつもなら短時間で一気に!と言いたいところですが、今回はできるだけ少しずつ、疲れたらストップ、休憩。また気が向いた時にやればいいのです。


自分に合った「家時間」を楽しもう

今はなにより新型コロナウィルスの感染拡大を防ぎ、できるだけ外出を避けて、自分たちが健康に過ごすことが大事だと思います。

なので、私は「今できることを、できるだけストレスを感じないようにする」ことをこころがけ、子どもたちにもそのように私の意見を伝えています。今しなければならない勉強もあると思いますが、イライラするよりは穏やかに健康に過ごす方が大事だなと。

いえづくりも同じですね。

できるだけストレスを感じない家を作ること。そのためには、どんなことにイライラするのか、ストレスを感じるのか、不満を感じるのか。どんなことなら好きなのか、できるのか。

そのようなヒアリングを重ねるので、家時間が心地よい、そんな住まいが作れているようです。


住まいの夢を綴るノートは現在は販売していませんが、暮らしを見つめなおすのにとても役立ったようです。このWEB版が必要なのかな・・・と思う今日この頃。


いえづくりレシピでは「居心地の良い家」のつくりかたについて書いています。


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