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いえづくりレシピ

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みゆう設計室のいえづくりについてまとめたマガジンです
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2018年11月の記事一覧

できるだけ長く住みたいと思う家

長く住み続け、次世代にも住み継いでいくことを目指す100年住宅、長期優良住宅。劣化や変化に対応でき、100年を越えても耐久性が維持できる強度の家。 「都会の小さな森の家」はその基準以上の耐震強度で計画をしていますが、設計でもっと大事にしたのは「できるだけ長く住みたいと思う家」であることです。 家がどんなに強くても、その家に住みたい人がいなければ家は廃れていきます。 「都会の小さな森の家」はこの家が大好き!!という気持ちが家の隅々まで染み渡っています。 間取りも素材もたく

奥行の狭さを活かした洗面所

「インナーテラスのある家」の洗面所は広い浴室を確保するために、奥行がすこし狭くなりました。 一般的な洗面所は一坪タイプが多いのですが、必ずしも一坪と同じだけの奥行が必要ではない、という事例です。 狭さを感じないように細長い間取りとし、造作家具で狭さを補いました。 洗面所の奥行が狭い分、洗面台の奥行を通常よりも狭くして、収納を横並びに配置しました。一般的な洗面所と同様のスペースは確保しています。 奥行の浅いボウルを利用して、2ボウルの洗面台はお掃除しやすい壁付の水洗とした洗

キッチン下部に土鍋やタジン鍋を置けるオープン棚を設けるととても便利

オーダーキッチンのデザインをしていると、意外と「オープン収納」を希望される方が多いような気がします。 メーカーさんのシステムキッチンには自由にオープン収納を作れないところがネックでもありますからね。 「昭和ガラスの家」のキッチンは壁面に向かってコンロのあるカウンター、庭やダイニングに向いてシンクのあるアイランドカウンターがあります。 コンロ側のカウンター下部には、土鍋やタジン鍋を置けるオープン棚を設けました。オープン棚の上下はそれぞれ引き出しになっています。 ごはんも土鍋

コンパクトな家をすっきりさせるコツ

玄関は赤茶が混じるグレーのタイル。下駄箱や無垢フローリングの木の質感と馴染む色合いで。 コンパクトな間取りの住まいの玄関は必要最低限。コンパクトにおさえた分、上り框の下部はオープンにして、サンダルや日常履きの靴を入れられるようにしてあります。 下足箱も最小限に。 判子やボールペン、自転車の鍵などを入れておけるように上段には薄い引き出しを設けています。 玄関に設けられた収納は最低限だけれども、隣り合うシューズクローゼットにはコートやバッグ、スポーツ用品、電動自転車の充電、

ワーキングマザーに向けた家事ラク、アイランド洗濯機置場

「森を望む家」の洗面所には中央に作業テーブルを兼ねたアイランド洗濯機置き場があります。 洗濯動線を集中させた家事ラク洗面所です。 ここは洗面所でもありますが、ほぼ部屋干しと乾燥機利用で洗濯をしているので、洗濯から片付けまでの一連の流れの作業をするのがこの作業テーブルになります。 作業テーブルの下には洗濯機置き場があります。 このアイランドテーブルが、この洗面所の要。 室内に湿気がこもりにくいような窓配置と扇風機の設置、物干し用のワイヤーも取り付けてあります。 カウンターの上

キッチンも料理という作業のための、ひとつのワークスペース

ノートパソコンにプリンター、書類や文具の保管などをするワークスペース。このワークデスクどこにあると思いますか? ここは「森を望む家」のキッチンです。ワーキングマザーである奥様が、料理をしながら、片付けながら、ちょっと思いついた仕事(持ち帰り仕事ですね、大変です!)ができるようにしたワークデスクなのです。 キッチンも料理という作業をする、ひとつのワークスペース。その中に仕事、デスクワークというワークも組み込める空間にしているのです。 そのあたり、本当はとても自由なんですよね

家族みんなが家事を楽しめる家

お気に入りのカップを集めたカフェコーナー。 コーヒーを淹れる時間も、ちょっとワクワクするように、オープン棚の収納の一部にコーヒーを淹れる道具を集めています。 「森を望む家」のキッチンは全てオープン収納です。 ここまで全てオープンにするのは設計者の私も正直迷いましたが、奥様の考えは揺らぐことはありませんでした。 オープンにする理由は、家族皆がキッチンとパントリーのどこに何があるか把握するため。 一目で見てわかるように、全てオープン収納にしたのです。 ワーキングマザーが家事を

飲み終わった牛乳パックをどこで乾かす!?

キッチン背面収納のかたちで最近人気なのは吊り戸棚の下に設けた浅いオープン収納。「ナチュラルモダンな家」のパントリー収納にも設けています。 「細長いもの」や「薄くて大きいもの」は意外と収納場所に困ります。この収納スタイルはオーブンレンジのトレイの収納場所として最初にデザインしました。 「ナチュラルモダンな家」の場合、置き場所に困っていたのは飲み終わったあとの牛乳パックと水筒でした。牛乳の消費量が多く、洗った後に置き場所がないし見た目もごちゃごちゃするということを気にしていた

木製窓が額縁のように森の風景を切り取るリビング

玄関からリビングに入ると、木製窓が額縁のように森の風景を切り取ります。どんな森の中だろう、というお住まいですが、住宅地の端部でインフラもしっかり整備された敷地です。 森を見て暮らしたい。そんな思いに対して、敷地のアドバイスから家づくりが始まりました。 リビングは森に対して大きな窓を設けるのではなく、敢えて腰掛けたときにちょうど森の風景を見られるような窓高さ、窓サイズにしています。 家のいろんな場所で森の風景を見られるのですが、それぞれ見え方が変わり、それぞれの空間に居場

自然素材を活かしてピンクをアクセントにしたインテリアの子ども部屋

パインの無垢フローリングに、呼吸するシラス壁。自然素材を基本にした家は空気環境が良く心地よい住まいになりますが、ナチュラルな印象が強くなり、カラーを使ったインテリアにするのが少し難しくなります。 「フレンチナチュラルスタイルの家」では、自然素材を使いながらもカラーを活かしたインテリアにしたい、というご希望で子ども部屋の窓枠やドアをパステルカラーにペイントしました。女の子の部屋はベビーピンク、男の子の部屋はミントグリーンです。 窓枠に色を入れたことで、色柄の鮮やかなカーテン

家事ラクで無駄なスペースの無い家にするコツ

家事ラクで無駄なスペースの無い家にするコツは、通路としての廊下の床面積を極力減らすことだと思っています。廊下の面積が増えるということは、お掃除をする床が増えるということ。それなら通路以外の機能を持つ「使える廊下」にしておいた方が良いと思うのです。 「家族が集う家」の個室前廊下は日当たりの良い南側。通常の廊下の倍の幅があり、家族の共有本棚や共有デスクを設けています。 洗濯物をバルコニーで干す時も作業がしやすく、また部屋干しや洗濯物を畳むのにも有効な空間です。 ロフトに上がれ

通路としての役割にプラスアルファの機能を設けた廊下

2階の廊下に天窓と天井までの高さの本棚。 壁にはブラケット照明。 家族の共有空間に本があると良いけれど、リビングダイニングには本を置いておきたくない。見た目にもごちゃごちゃしてしまうから。そんな時は2階の家族の共有空間である「廊下」を利用します。 廊下は通路としての役割にプラスアルファの機能を設けると、家に「使える空間」が増えます。ひとつはリラックス空間として使うこと、もうひとつは収納スペースとして利用すること。 「都会の小さな森の家」の場合は2階の廊下に本棚を設けまし

おすすめのデスク周りワゴン

キッチンのゴミ箱ワゴンや調味料ワゴンは使う場所(コンロ横やシンク横)に移動させて使えるので好評ですが、デスク周りのワゴンも人気があります。 ワゴンというと、収納がカゴでできていたり中身が見えるもののイメージを持たれがちですが、造り付け家具の一部としてワゴンを作ると引き出しの一部のようにも見えます。 見た目は引き出しとあまり変わりませんが例えばおもちゃ用の収納ワゴンであったり、ランドセルワゴンであったり、移動して使う可能性があるものは引き出しよりもワゴンの方が便利なのです。

いえづくりをするときの「モヤモヤ」を解消する。

いえづくりをするときの「モヤモヤ」。住宅設計「する上で、これが「スッキリ」になるまでアイディアを出したり対話を重ねたりします。 いえづくりの「モヤモヤ」は「シミ」のようなもの。消さずに置いておくと、365日気になって、何年も蓄積して深く大きなシミに変わることがあります。 そんな「シミ」を作りたくないので、早めにスッキリ解消させます。 例えば数ミリの段差、僅かの奥行不足、なんとなくイメージした色と違う!などなど。 設計者にとっては家は完成したら仕事としては終わりですが、建