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月と兎と月世界

こんばんは、もこみです。
今日はお茶のお稽古でした。
今日出していただいたお菓子は、富山 月世界本舗の「月世界(つきせかい)」。

富山銘菓「月世界」

月世界本舗

月世界本舗は、明治30年(1897年)創業、富山の老舗和菓子屋。
私はこの月世界しかいただいたことがないのですが、ホームページを見ていると他にも美味しそうな和菓子がありますね。
社名を冠していることからも、月世界が代表銘菓で間違いないでしょう。
結構有名なお菓子なので、食べたことのある方も多いのではないでしょうか。

月世界、そのお味は…

このお菓子、何と言っても食感が独特です。
鶏卵に和三盆や寒天を入れて乾燥させているとのことですが、表面は固いのに、口に入れるとしゅわっと解けて消えていくような不思議な食感。
メレンゲを和風にしたような感じでしょうか。
ほどよい甘さと、外と中の食感の違いが面白くて、癖になる味です。

月と兎

月世界本舗さんのホームページにあるように、パッケージがまた可愛いです。

月世界本舗HPより

つい数日前、きれいな満月🌕が見られましたが、「月」と言えば「兎」ですよね。
月の影の模様が兎に見えることから、月には兎が住んでいるという伝承が昔から伝わっています。
私も十五夜や十三夜の時期になると、「玉兎(ぎょくと)」という茶杓の銘を使うことがあります。

月に兎がいる?

月に兎がいるという伝承は、インドの仏教説話に見られ、それが日本に伝わり『今昔物語集』にも収録されたと言います。
その内容は、

猿、狐、兎の3匹が、山の中で力尽きて倒れているみすぼらしい老人に出逢った。3匹は老人を助けようと考えた。
猿は木の実を集め、狐は川から魚を捕り、それぞれ老人に食料として与えた。しかし兎だけは、どんなに苦労しても何も採ってくることができなかった。
自分の非力さを嘆いた兎は、何とか老人を助けたいと考えた挙句、猿と狐に頼んで火を焚いてもらい、自らの身を食料として捧げるべく、火の中へ飛び込んだ。
その姿を見た老人は、帝釈天としての正体を現し、兎の捨て身の慈悲行を後世まで伝えるため、兎を月へと昇らせた。月に見える兎の姿の周囲に煙状の影が見えるのは、兎が自らの身を焼いた際の煙だという。
Wikipediaより

兎が餅つきをしている?

月の影の模様が、兎と臼に見えることから、兎が餅つきをしている、と言われますが、こちらは中国が起源。

中国では、月の兎は杵と臼を使って不老不死の薬を作っていると考えられていたようです。
それが日本に伝わった時に「餅つき」に変化した、とのこと。

その理由については諸説ありますが、
☑️満月の異称「望月(もちづき)」が転じて「餅つき」になった
☑️月に昇った兎が、老人(帝釈天)のために餅つきをしている
他にもあるようですが、私が聞いたことがあるのはこの二つです。

真偽は別にして、月で兎が餅つきをしていると考えると、何となく可愛らしくて和やかな気分になりませんか。

不思議食感の月世界、月に思いを馳せながら、ぜひご賞味ください。
ただし、口の中の水分を持っていかれますので、美味しいお茶やコーヒーなどをご準備されることをおすすめします😄

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