見出し画像

飴玉の色

金木犀の甘い香りがした。

小さく咲いた蕾がひどく愛おしかった。



胸の中にある水たまりが凪いだ。

あの人の優しさに似ていた気がした。

日が暮れてぼやけた世界に輝いていた。

懐かしい日の思い出が

今でもずっと

いじらしいほどに美しく火花を散らした。



湿った感情は真鱈に色褪せて

かすかに酸っぱい雨を降らした。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?