見出し画像

Books&シードルイベントレポート#2 -トークセッション前編

「Books & シードル」という全く縁のなさそうな組み合わせを初回のテーマに選んだのは、トークセッションのゲストスピーカー、小野司さんが仲間とともに立ち上げた「林檎学校醸造所」に、シードル好きなみよたBOOKSメンバーがシードル作りの手伝いに行ったことがきっかけでした。

ブックカフェ(選書、カフェの様子)
トークセッション⇦本日はこちら
テーブルトーク
読書会

シードルについてもっと知りたい!と、小野さんの著書を読んでみたらこれが面白い。「シードル」から、農家、果樹、農業、ビジネス、起業、地域振興、まちづくり、文化、コミュニティ、場づくり、学び・・・さまざまな視点で展開するストーリーから、「本」と「シードル」を結び付けたら面白いかも!?とインスピレーションを得て、初回テーマができあがりました。

そして、こうした広い視野をもって起業し、飯綱町の廃校を活用して醸造所をつくった小野さん。そんな小野さんってどんな人なのかを知りたい!というみよたBOOKSの想いがかない、このトークセッションが実現しました。

2日目の昼下がり、暖かい陽光が差し込むカフェに、飯綱から到着されたばかりの小野さんが現れました。参加された方々は、本とお酒が大好きで、シードル醸造に関心があって、小野さんのお話を聴きたくてなど、さまざまな動機で来られています。小野さんの穏やかな笑顔に、皆さんもすっかりリラックス。りんごのおやつとコーヒー、中にはシードルを楽しむ方も。

画像1

セッション前に参加者の皆さんは小野さんの著書を読了。それを受けて、トークは著書に書かれていない、「小野さんの人生、小野さんの人生をつくった本」にフォーカスして進みました。

小野さんのご実家は、長野県飯綱町のりんご農家です。小野さんはどんな子どもでしたか?

りんご箱を積み重ねて家を作ったりなど、りんご畑が遊び場でした。本家の長男なので、漠然と「家を継ぐんだろうな」と思っていましたが、それを強く意識していたわけではありません。実は当時は勉強が嫌いで、夏休みの宿題も最後の2日で一気に終わらせるタイプの子どもでした。 
歴史が好きで、当時は「まんが日本の歴史」をよく読みました。また、父が天体観測が好きで、家に星の写真の本がたくさんあり、それらをよく見ていたことを覚えています。

高校を出てすぐに地元で就職をされました。

勉強より、早く「仕事」をしてみたかったのです。高校時代のバイトでの「ありがとう」と言われて嬉しかった経験が自分にとって大きく、「仕事」への興味が膨らみました。
実際に数年間仕事をしてみると、仕事をこなすためには勉強する必要があることに気づき、そこから「勉強」への興味が沸きました。大学受験をして、大学で経営やITを学び、卒業後に転職。横浜に移り住みました。

故郷を離れるのは一大決心でしたか?

新天地でのキャリアに魅かれる気持ちがより強かったです。今見れば地元にもいいところがたくさんあるのですが、当時はそれらが空気のような存在で、気づきませんでした。関心を持っていた農業経営は地元に留まっていては学べないし、親も一度は地元を離れ、より広い市場や顧客に直接触れ、学ぶほうがよいと背中を押してくれました。

当時は経営やITの知識を増やすことに懸命で、通勤時間をつかってビジネス系の実用書をたくさん読んでいましたね。フィクションもかなり読んでいて、中でも司馬遼太郎の「竜馬がゆく」は、人生で大きな影響を受けた本の1つです。この本を通して「仲間」の大切さを学びました。人とのつながりの大切さはもちろん、仲間がいることによって、一人ではできないことができる、仲間を通して新しい人や考え方と出逢える、仲間で新しいことを達成して喜び合える。幼い頃は気の弱かった竜馬が、外へ出て、仲間をつくって、皆を引っ張っていく、この展開は今の自分の生き方につながっていると感じます。

画像2

後編へ続く🍎

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?