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採用におけるミスマッチを防ぐには

今回は、採用におけるミスマッチや早期離職を防ぐ方法をお伝えします。新卒採用では、25卒のサイクルがひと段落し、26卒の学生さんへのアプローチが始まる頃と思います。新たな採用活動年度をスタートされる前に是非お読みいただきたい内容となっています。


「求める人物像」と職場はマッチしていますか?

採用活動スタート前の採用戦略を立てる中で「求める人物像(=仲間になってほしい人)」を明確にするプロセスがあります。

「求める人物像」の明確化では、経営計画など「自分たちはこれから先どこに向かうのか」という未来図に必要な人物像を言語化していくことが必要となります。

しかし、その「未来図に必要な人」と「現在の組織」がマッチしていないといったケースが時々あります。

例えば…

・「求める人物像」では自律的に行動できる人をイメージしているが、現在の組織はマイクロマネジメントで指示や報告が多い

・チャレンジできる人を採用したいが、配属部署はベテラン揃いでチャレンジというよりは「守り」が重視される組織となっている

・規律を守りながら働いてほしいが、規律が明文化されておらず現場では暗黙知での行動を求められる

といったことが挙げられます。

そもそも「求める人物像」が明確になっていないケースもある

会社によっては、どんな人に仲間になってもらいたいのか、議論が充分にされておらず「コミュニケーション能力が高い人」といったざっくりとした要件とは言えない要件で募集をスタートされている場合や、「変化の多いこれからの時代、チャレンジ精神が必要」といったなんとなくの流れで「チャレンジ精神のある方」などを設定されていることがあります。

まずは、社内で「自分たちはこれから先どこに向かうのか」「そのために誰に仲間になってほしいのか」をしっかりと議論し、全社で統一された「求める人物像」を明確にする必要があります。

「求める人物像」と現在の職場をマッチさせるには

ここからは、具体的にミスマッチを防ぐ方法をご紹介します。

①現状把握
現在の組織がどのような状態かをまずは把握します。
・ルールや仕組みがしっかりと明文化されており上位下達で現場が回っている
・現場での意思決定を尊重しており、ボトムアップで成り立っている

といったように、指示系統意思決定プロセスについて、現状を分析します。
また、メンバーの年齢構成や入社からの経過年数の傾向を掴むことも新入社員の受け入れに関してはとても重要となります。

②自組織と「求める人物像」のすりあわせ
①で把握した組織に、求める人物である新入社員が入った場合、そこにミスマッチは生まれないか?「組織から見た新入社員」「新入社員の心理から見た組織」を見ていきます。

「自ら考え行動できる人を求めているが、会社全体としてマイクロマネジメントの傾向があり本人の能力を抑えてしまわないか」

「リーダーシップを発揮できる人を求めているが配属したい部署では管理職が既に多くいるため、入社後モチベーションが保てないかもしれない」

「ルールを守れる人を募集したいが、そもそもベテランぞろいの中で生まれた暗黙知であうんの呼吸で仕事を進めてきたかもしれない」

といった、「組織の現状」と「個人の価値観」をすり合わせる必要があります。
このプロセスでは俯瞰的な視点が求められるため、他部署や外部の専門家など、現場以外の方に関わってもらうことをおすすめします。

③採用→定着→活躍に向けた施策
自組織と「求める人物像」がマッチしており、スムーズに職場に馴染み活躍してもらえそうなイメージが持てたら募集をスタートしましょう。
万が一、自組織と「求める人物像」にミスマッチを感じた場合は、それらを回避する施策が必要です。

回避施策の一例

〇組織の再設計
「求める人物像」=「自分たちが描く未来図に必要な人」が組織の現状に合っていないのであれば、それは未来図に現在の組織が合わなくなってきているサインかもしれません。
もしかすると、退職者予備軍がいる可能性も考えられるため、組織で起きている問題をもう1段階深く把握し、未来図にマッチする組織作りをしていきましょう。

〇育成方法の工夫
組織が変わるには数か月~数年単位の時間を要しますので、まずはすぐに着手できることとして、新入社員の受け入れ態勢や育成方法で対策を打つことも有効です。
例)
・意思決定プロセスの一部を変更する
・報連相ルールを見直す
・メンター制度など社内の「斜めの関係性」を意図的に作りフォローする

〇配属部署の再検討
組織を細かく分析すると「当初予定していた部署ではないが、別の部署であれば、求める人物像と組織がフィットするかもしれない」といったことが見えてくるかもしれません。その場合は、配属予定の部署を一旦変更できないかなど、会社全体での受け入れを検討してみましょう。

〇採用時期の再検討
人員不足など、今すぐに募集をしたいと思われるケースは多いと思いますが、ミスマッチによる早期離職やパフォーマンスが発揮できない状態は、組織にとっても個人にとっても非常に不幸といえます。
まずは、受け入れられる体制が整うまで採用を止めるなど丁寧に組織作りと採用を進めていきましょう。

以上、採用におけるミスマッチを防ぐ方法をお伝えしました。

採用は、切り出された単体の仕事ではなく「組織を作る」うえで非常に大切な最初のプロセスとなります。

採用担当者だけで悩み進めるのではなく、経営者を含め、会社全体で取り組み、組織力を高めていきましょう。




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