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人間関係を楽にするセルフコーチング「エンプティチェア」とは

今回は、コーチングやキャリアコンサルティングの場で使っている「エンプティチェア」をご紹介します。

本来は、コーチやキャリアコンサルタントに問いかけをしてもらう方がスムーズですが、専門家のサービスに申し込むのはハードルが高いと感じられる方やセルフコーチングについて興味のある方に向け、自分自身でコーチングを行う方法をお伝えします。

エンプティチェアとは

エンプティチェアはゲシュタルト療法と呼ばれる心理療法の1つとして、カウンセリングやコーチングの場で使われることがある手法です。

その名の通り、誰も座っていない「空の椅子」を準備し、実際にその椅子を動かしたり、座ったり、話しかけたりしながら進めるワークとなります。エンプティチェアの他にも「チェアワーク」と呼ばれることもあります。

「人間関係の悩み」や「自分の中のモヤモヤした気持ちをクリアにしたい」「過去の自分を振り返りたい」「未来の自分を想像したい」など、様々なケースに使うことができます。

今回は「人間関係の悩み」についてフォーカスし、エンプティチェアの進め方を解説します。

特定の誰かとの関係性をクリアにしたい

人間関係の中で、特定の誰かとの関係性をクリアにしたいという想いがあるとします。パートナーであったり、親、子、会社の上司、部下、友人など、「ある人との関係がもう少し良いものになったら良いのに」といった場合や「相手に変わってほしい」「相手の発言は間違っている」といった、相手のことを考えるたびに自分の感情が穏やかでない波立つような気持ちになる相手がいるとします。そのような相手を想定し、ワークを始めます。

エンプティチェアを始める準備

ここから、エンプティチェアを使ったセルフコーチングを開始する手順を説明します。

①個室(自分に向き合える環境)を準備する
他人の目を気にせず自分と対話できる空間を準備します。

②椅子を2脚以上準備する
今回はある特定の1名を想定しますので椅子を2脚準備します。関連する方が2名以上の場合は、その人数分の椅子があると良いです。椅子が難しい場合は座布団などでもOKです。

③椅子を並べる
まずは自分が座る椅子を置きます。なんとなくで結構ですので、一番相応しいと思う場所にまずは1脚置いてみましょう。その次に、今回想定する相手と見立てる相手の椅子を並べます。

先ほど置いた自分の椅子との距離や向きなどを見ながら、今の2人の関係性において収まりの良い場所に並べます。真正面、斜めに向き合う、どちらか一方は外側を向いている、お互い背中を向けている、など、その2つの椅子に実際座りながら微妙な距離や向きを微調整していきます。

ワーク開始

④相手の椅子に向かい伝えたいことを伝える
相手が座っていると見立てた椅子に向かい、相手に伝えたいことを伝えます。「伝える」と柔らかく表現していますが、実際には「言いたいことを言う」「吐き出す」「ぶつける」に近い感情がある場合もあるのではないでしょうか。
その場合は是非、言いたいことを言ってみてください。吐き出したり、ぶつけてみてください。
客観的にみると、誰も座っていない空の椅子に向かい喋っている状況は滑稽に見えるかもしれません。しかし、ここは自分だけの空間。相手が実際にそこにいるつもりで伝えてみてください。(伝えてみていかがですか?実際に声に出して言いたいことを言った時の自分の感情も味わってみましょう)

⑤相手の椅子に座り自分からの言葉を味わう
次に、相手の椅子に座り自分が伝えた言葉を聞いてみましょう。実際には、言葉に出した後、相手の椅子に異動しますので、リアルタイムでその言葉を聞くわけではないのですが、先ほど自分が伝えた言葉を相手になったつもりで、相手になりきり感じてみてください。

⑥相手の立場で伝えたいことを伝える
今度は逆のターンです。相手になりきったまま、自分が座っていた椅子に向かい、感じたことを伝えてみてください。すぐに言葉が出てこない場合は、もう一度、元の自分の椅子に戻り、もう一度相手に言いたいことを改めて言います。

⑦相手と自分の椅子を行き来しながら会話をする
あたかも、そこで相手と自分が話しているようなやりとりを重ねてみます。
「本当はこういう気持ちだった」「そういうつもりはなかった」「そういう言い方がいや」「上から目線で話されると答えたくない」「その話はやめてほしい」など、様々な感情とセットで聞きたくない言葉が出てくるかもしれません。しかし、自分では気づかなかった気持ちが出てきたり、新たな気づきがあるなど、これまでとは違った感覚が生まれてくることがあるかもしれません。

ワーク終了

終わり方については自由です。
・言いたいことが言えてスッキリした
・これまでとは少し違った感覚が持てた
など、ワーク前よりも少しクリアになったことがあれば終了という形でも良いですし「これ以上続けるのはつらい」「気持ちが入らない」といった場合もSTOPで良いかと思います。

⑧日常生活モードへ切り替える
エンプティチェアが進むと、普段は触れないような、自分の心の奥底にある感情に触れることがあります。ワーク後は深呼吸をしたり軽くストレッチをするなど、モードの切り替えを行い、日常生活に戻りましょう。

※ワーク後になかなか日常生活モードに戻れなかったり、気分が落ち込むことが続く場合は、カウンセラーに相談するなど、サポートを依頼することをお勧めします。

今回は、特定の相手を想定したワークを解説していますが、過去や未来の自分、現在の自分を想定し、エンプティチェアを進めていくことも可能です。

テキストでは伝えきれないニュアンスを音声で解説しています。実際にセルフコーチングを実践してみたい方は以下の音声を参考になさってください。


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