おやつ選定のアルゴリズムの奥深さ
スナックミーCTOの三好です。今まで積極的にアウトプットをしてなかったので、今後は頻度を上げていこうと思っています。
今回はおやつ選定のアルゴリズムについてそこまで深堀せず
アルゴリズムとは
問題を解決する定型的な手法・技法。コンピューターなどで、演算手続きを指示する規則。算法。
※ 広辞苑
アルゴリズムを簡単にいうと「やり方」
料理でいうレシピや具材の切り方と捉えてもらうとイメージしやすいかもしれません。
順番を間違うと出来上がるものが変わってしまう。多少順序前後しても最終的に結果も変わらないが、時間が倍かかることもある。そのため、結果だけ正しければ良いのではなく、最適化していくことが大事。
スナックミーのおやつ選定
ここでスナックミーのおやつ選定について考えてみる
前提として
・ 常時100種類ほどのおやつ
・ ユーザーごとに8種類
・ 毎月20%ほど商品を入れ替え
という条件。おやつ選定のアルゴリズムはサービス開始数ヶ月後に導入しました。
当初私はデータ分析などしたことがなかったため、数名のデータサイエンティスト専門の諸先輩方にアドバイスをしてもらいながら進めて行きました。
おやつ選定の流れ (レコメンド状態から独自のアルゴリズムを用いておやつを選定)
下図は3年前に作ったアルゴリズムのフローチャート
当初は協調フィルタリング
レコメンド技術として有名な協調フィルタリングを採用
協調フィルタリングとは、例えば以下の図のように
Bさんはポテトクッキーを食べたことないが、Aさんと好みが似ているので、ポテトクッキーは好きだろう。というように対象者と似たような(相関が高い)ユーザーさん見つけておやつを選定していく方法。
この方法はユーザーごとでも、商品ごとでも利用可能。
好みの傾向を把握するために、当初は協調フィルタリングを用いておやつを選定していました。
しかし、頻繁に商品が入れ替わるため、コールドスタート(cold-start)問題に直面します。
コールドスタート問題 (Cold-Start)とは?
新規ユーザー、新商品は評価などのフィードバックをもらってないため、推薦ができない(評価できない)
これらを解決するために、
・初回アンケート
・リクエスト
・人気なおやつ
などの直接取得できるデータを用いることで、初回の満足度向上につなげていきました。
レコメンドとおやつ選定の違い
ここでレコメンドとおやつ選定には大きな違いあると思っています。
レコメンドとおやつ選定の違い = 守備範囲が違う
下図のように
と考えています。レコメンドとおやつ選定はかぶる部分はあるが、似て非なるものであるということ。
レコメンド : レコメンドされた商品をユーザーさんが選ぶ。苦手なものはリクエストしない。
おやつ選定 : 苦手登録しないと苦手でも手元に届く可能性がある。ボックスの組み合わせが大事。
レコメンドは苦手な食材が含んでも好きそうな可能性がある場合は提案できる。おやつ選定は好きそうなおやつに苦手な食材がある場合は選べない。
例えばとあるユーザーの特徴として、
・複数味のかりんとうが好きの評価をしている
・ゆず味が苦手
の場合、おやつ選定ではゆず味のかりんとうを選定することはないが、レコメンドはできる。おやつ選定は苦手を選定しない分、偏りを避けるために新しいおやつを提供することが選定では大事になってくる(新しい嗜好の発見)。
パーソナライズとより向き合うために
サービス開始してからアルゴリズムと向き合っていくことで、下図のように評価やリクエストのフィードバックは1年で月間14%ほど割合が向上しました。フィードバックへの価値が高まってきた可能性があると読み取れますが、私たちの中ではアルゴリズムはまだ始まったばかりだと思っています。
先ほども書いたようにレコメンドとおやつ選定は考え方が異なります。
また、スナックミーはおやつ体験を提供しています。
おやつだけの観点だと8個のおやつがセットで体験を構築しています。例えばドライパインが大好きな場合、8個全てドライパインだと「好きだけど・・??」と思う方が多いはず。つまり、全て大好きなおやつでも満足度が低くなる時もあります。そのため、8個の好みの組み合わせを考える必要になってくるのです。
・バランス良く食べたい
・ドライフルーツとナッツだけが良い
・焼き菓子が多く食べたい
・リクエスト多く欲しい
・新しいおやつと出会いたい
など
上記の組み合わせは、個々の評価だけでは判断ができません。送ったおやつ全体も把握することで見えてきます。個の情報と全体の情報の両面から捉えることで、おやつ選定の精度は確実に向上していくと思っています。
まとめ
おやつ選定のアルゴリズムは一つのおやつが好きかどうかだけを追求することが大事なのではなく、ボックスも含めたアルゴリズムが必要である。決してネガティブ(苦手)の排除で選ぶのではなく、排除は前提として考え、偏らないように個と全体で精度を高めることが大事だと考えています。
最終的におやつの選定から味覚の分野まで入り込めると、おやつを絡めたライフワークの提案などできるのではないかと考えています。考えるとキリがないですが、おやつ選定のアルゴリズムは奥深く楽しいところ。
この奥深いアルゴリズムに挑みたい方はぜひ一緒にしませんか?
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今回はおやつ選定のアルゴリズムについて書きましたが、
スナックミー は多くのテクノロジーを用いて事業成長しています。
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