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花を追う

私はいつも 春を待っている──


幻想の中の 春の香りを鼻先で追っている

それは不確かで 

或いは 二度とこの手に帰らぬもの


人は

春を待て そこに幸はあらん と言うが

既に春は行き過ぎ

夏が来て

また同じ季節が来ようとしている


決して二度と帰らぬ季節を待ち焦がれている


生きることは 繰り返すこと

中心で円を描く 神の気まぐれ


それでもきっと 追いついてみせるさ


君よ

 今しばし あの春の陽射しの中で


読んでいただき、ありがとうございます。 良ければまたいらしてください。