【焼津・日帰り】写真好きにこそおすすめ、日帰り旅🐟特別公開プラネタリウム撮影も!
こんにちは。miyokoです。今回は、私が所属しているcamelltown(写真好きの女性が集う場所)で焼津へ行ってきたので、その際に回ったおすすめスポットの紹介です!
焼津というと、地名は知っているしどのあたりにあるか、そして漁港があるということもなんとなくは知っていたけれど、行く予定もないし何があるかもよくわからない。というのがイベント参加前の正直なイメージ。そして関東から行くには少し遠いな。と感じる距離だと思っていました。けれど実際参加して、東京(南部)からであれば日帰りでも全然いけるしまた行きたいと思えることが発覚!忘れぬうちに記録に残しておきたいと思います。&みなさんにも焼津の良さが伝わればよいな、と。
今回の行程はこんな感じでした。人数が多いことと宿泊される方もいて荷物があったためバスツアーでしたが実際は、レンタサイクル等を利用しても回れる距離とのこと。車の運転が得意でなくても行ける旅行先の候補はとてもうれしい。
■ ヤマ十増田商店
初めに訪れたのはこちらの手火山作りヤマ十増田商店さん。到着したとたんかつお節の濃厚な香りにつつまれました。工場見学に向けてのわくわくが止まらない!
カツオ漁は海水の暖かいところ、赤道付近まで行って行うのだとか。そしてこちらで扱われているカツオは腹部のシマが濃いのですが、これは新鮮な状態で仕入れされた証拠なのだそう。冷凍庫の中を特別に撮影させていただきました。1ケース1トン程度、合計2トンほどが保管されていて、一本釣りでつられたため口がひらいている状態&胴体が擦れていなくて綺麗な状態が特徴です。
※カツオの口の拡大写真を載せているので苦手な方はご注意ください。
冷凍庫を見せていただいた後は工場の見学に移ります。ここからは実際の作業工程と同じ順番で説明していただきました。入るとすぐに大きな機械が。ヘッドカッターという名前の通り、小さ目なサイズのカツオの頭を切り落とすための機械。ただ先ほどの冷凍庫に保存されていたサイズ(7kg)くらいの大きさにもなるとこちらの機械は使用できず、1つ1つ手作業で切り落としていく必要があるそうです。
そのときに使用するのがこちらの包丁。3種類ありますがそれぞれ役割があります。左から順に、
「かしらはがし」 :頭とハラモを落とすため
「おろしぼうちょう」:三枚おろしのため
「あいだぼうちょう」:背と腹を分けるため
それぞれの役割は決まっており、他の包丁で切ろうとしてもうまく切れないのだそう。
切創作業が終わると今度はこちらで煮ていきます。大人の男性の肩くらいの高さまであるこの窯。1時間半ほど煮るのですが沸騰してしまうとカツオの体が動いてしまうため90度という沸騰直前の温度で煮るのがポイント。動いてよれてしまうとよいカツオ節にするのが難しいんだとか。煮るという一つの工程だけでもその後のできあがりに大きな影響があるのですね。
煮終わってもまだまだ作業工程は続きます。次も手作業。手にお持ちの骨抜きを使って1本1本カツオの骨を取り除いていきます。この作業が一番大変とのことで、一度始めると10時から14時くらいまで骨抜きを続けるそう。
初めに見た7kgのカツオ、その半分ほどのサイズのカツオのあばら骨がこのサイズ。大きくなればなるほど骨は大きくなりますがそれでも機械で行うのはまだ難しい工程。人手が必要な作業になります。
骨抜きがおわれば燻し作業へ移ります。こちらのかごに入れて1か月以上の燻し時間が必要になります。燻しで使われるのも地元の木材。焼津では楢ノ木が使用されることが多いみたいです。木材を選ぶのにもゆっくり長く燃えるものを選ぶ必要があり、楢ノ木はとても適しているとのこと。こちらの工房は燻す方法が昔から伝わっている製法のまま。いまでもこの方法を使っているところはほとんどないみたいです。
この燻窯は4階建てになっていて、成熟過程によって置く場所が変えられています。実際に火をつけていただき扉があくと、煙と香りが一瞬にして工場内に広まりました。
燻し終わってからも職人さんの技が光ります。脂の有無と鮮度をこちらの台で選別し、削り方を判断するそう。どれも同じ削り方、というわけにはいかないのですね。脂が多いものだと皮が曲がっていて少ないものだと張っている、そういった特徴が全て頭の中に入っていて、見て、触るだけで判断できるのはまさに職人技です。
ここまでの工程を知ったうえでお店に並んでいるカツオ節をみるとこれまでと印象がかわってきます。最後重量がもともとの1/5にも減ってしまうカツオ。それだけ水分がとばされて、燻されて、大切に作られてきたからこその濃いお味ができるそうです。
お店の前にはカツオ節自動販売機も。こちらで販売されている「ぱらぱら削り」と「粉かつぶし」をお土産にいただきました。おすすめの食べ方で紹介されていた卵かけごはんにかけて早く食べてみたい!
ちなみに、余談ですが結婚式の引き出物などでカツオ節があるのはちゃんと理由がありました。カツオ節には背側の雄節と腹側の雌節があり、このようにぴったりと寄り添っている。そのためカツオ節は夫婦の象徴とされることもあり引き出物としてもよくつかわれるんだとか。こういった小ネタ、少しずつ知っていきたいです。
■ 庭の宿 帆や
続いては「庭の宿 帆や 」さんへ。かつて魚職人さんたちでにぎわいを見せた焼津市の歴史と発展を伝えた「浜通り」に位置しています。そしてこちらの施設はもともと由緒ある豪邸古民家であり伝統家屋。そんな古民家が職人さんの手で再生され、現在は宿泊もできる施設として再利用されています。
個人的には「きれいになったおばあちゃんち」に来たような気分を味わえる場所。だなと少し懐かしさを感じました。宿泊する場合は一棟貸切なので他の方の目を気にする必要もなし。一緒に来たメンバーだけでのんびりと楽しめます。
2階には広い和室がありこちらだけのレンタルも可能。またこの広さで宿泊ができるため、最大18名で泊まれるのです。親戚みんなで泊まったり、写真合宿をしたり、、、想像は広がるばかり。また、ワーケーションなど研修施設としても使えるよう、ミーティング用のテーブルやスクリーンまで用意されています。
おしゃれなお庭を見ながらゆっくりくつろげるお部屋もあったり、BBQができるガーデンテラスも。そしてその奥には蔵もあり、中では個展などのギャラリーとして、ポップアップショップとして、ワークショップ会場として、幅広い使い道が。
近くにこの施設があったらうれしいのにな。自分の住んでいる地域でもこういった場所がないか探してみたい!と思いました。
■ ぬかや斎藤商店
先ほどの「庭の宿 帆や」のすぐ近くにある「ぬかや斎藤商店」さんへ。入口にある説明書きが気になります。こちらは「波除け堰(せき)跡と排水小路」の説明が。昭和60年代までは暴風雨による荒波が堤防を越えて襲ってくることが年に1回程度あったそうです。こちらのお店の入口には当時から使用されている堰がまだ残っていて、実際に使われていた波除け板をはめ込んで見せてくださいました。こうやって堤防を越えた海水の侵入を防いでいた、と当時を知るご主人が語ってくださいました。
そんなご主人が着用されているこちらのお洋服。この地域で昭和初期から着られている「魚河岸シャツ」と呼ばれるもの。漁に行く際に乗船する船によって織り方が異なっていたのだとか。そして「魚河岸」の文字かマークが入っているものが魚河岸シャツと呼ばれています。
こちらのぬかや斎藤商店さんではお2階で魚河岸シャツの販売をされています。「魚河岸シャツ有ります」の看板を目印に街歩きをしながら探してみてください。魚河岸シャツ、「魚河岸」の文字かマークが入っているものという定義があると先ほどお伝えしましたが、魚河岸とは魚市場のある河の岸辺を指す言葉。築地や浅草でもよく聞かれるかと思います。
なぜ東京にある魚河岸と同じ名前が焼津でも聞かれるのか。焼津では古くから加工屋さんが軒並みありました。そこで加工された商品が東京や大阪で販売されていて、かつては新年などお取引先に出向いてご挨拶に行き、そこで手土産も交換していました。その際にいただいた、手ぬぐいが5枚揃うとできる形で作られているのが魚河岸シャツなのです。
魚河岸シャツとして認められるには、魚河岸という文字やマークが入っているというデザイン面だけではなく、生地や形状など複数の項目を満たしている必要があります。こちらのお店ではもちろん認証を受けた魚河岸シャツもありますし、より普段使用しやすい形状にアレンジされたシャツ、小物なども販売されています。手ぬぐいまたは浴衣生地で作られているため、乾きやすく涼しい、年々暑さが厳しくなっている真夏に重宝しそうです。
そして1階では昔ながらの製造方法でなまり節やかまみそ漬けなどを製造販売されています。完成するとサイズがこれだけ縮むこと。今多くの工場では主流となっている燻し機械と昔からの製法の燻し窯。都会で暮らしているとなかなか見ることができない工場内部を見せていただき、そしてこちらで製造されているなまり節をマリネにしたものとまぐろの頭の部位だけを使っている佃煮をいただきました。なまり節も佃煮も両方とてもおいしい。なまり節「サラダ大将」は静岡県食品産業協議会会長賞を受賞されたのだとか。油漬けにも水煮にもなっていないため、とっても扱いやすい逸品です。オンラインショップもされているのでまた買ってしまいそう。
■ 焼津PORTERS
もともとは漁師の方々の倉庫として使用されていたこちらの施設。改装され、展示ギャラリーやコワーキングスペースを含む複合施設として現在再利用されています。これから宿泊もできるようになるみたいでわくわくです。コワーキングスペースの横にはキッズスペースもあり、家族でも過ごしやすい施設になりそう。
ギャラリーの中には漁港倉庫として使われていた跡が残る場所も。コンクリート造りの壁が剝き出しなのも素敵です。ここで写真展とかできたら楽しそう。なんて話もしてたり、、、。
メインの建物1階には飲食店が入っています。焼津のカツオ節を出汁に使用したおでん、ジェラート、おにぎり、など。香りでおなかが空いてきます。私たちが伺ったのはおにぎりやさん「こめふく」。もともとかつお職人、そして農家をされてきた店長さんがおにぎり屋さんとしてお店を出されています。お米もかつお節ももちろん焼津産。そしてこちらで使用されているお米は、山福水産工場で加工されたマグロやかつおの骨や頭を肥料に使用されているそうです。
そして!なんと!かつお節がかけ放題!!ストップ!というまで店長さんがたっぷりとかけてくれます。かつお節の産地でこれだけのかつお節が食べられるのってめちゃくちゃ嬉しくないですか。
焼津らしく海、港にも面していて、海の風を感じられるのも焼津に来た!ということを実感させられます。漁船がたくさんぷかぷか浮かんでいるところってしばらく眺めていられそうです。
■ 焼津さかなセンター
おまちかね、お昼ご飯の時間です。名前の通り市場のような焼津魚センター。新鮮な魚介類が所狭しと並べられています。2,3時間は滞在できそうな広さ、お店の数。その数なんと70店舗も!海鮮だけではなくデザートもたくさんありました。どこで食べるか決められない…!
そしてこちらの施設はcamellとのコラボにより、写真を撮ってよいか、声をかければ撮ってよいか、商品の写真は?店員さんは?など聞かなくてもわかるように掲示をしてくださっています。忙しそうなお店だと撮りたいけれど確認できないから撮れない…ということもあるかと思いますが、このセンター内では一目でわかるのでとても撮影しやすい。たくさん写真が撮れてしまいます。
市場でありがちな、地図上で自分がどこにいるかわからなくなる現象。このさかなセンターではその心配はありません。マップに記載のある色の名前の付いた通り。この色にそれぞれの柱や床が塗り固められているので、自分の居場所も行き先もすぐにわかります。
数ある店舗の中で悩みに悩んで私たちは「さんすい」さんの二号店へ行くことに。お店の前だけでは収まらないほどの行列でしたが、回転が速く15分ほどで席につくことができました。メニューも豊富でまたお悩みタイム…笑
私はあじたたき、かつお、生しらす、金目鯛(季節の地魚)が入った駿河湾丼に。せっかく駿河湾に来たからには地元で取れた食材を味わいたいと選びました。どれも新鮮で、カツオも味が濃厚。金目鯛もぷりぷり。
もっとデザートやお土産も楽しみたかったのだけれど、おなかの容量も時間も足りず今回はここまでです。
■ 花沢の里
海から山へ移動します。ここは花沢地区ビジターセンター。山村集落を進んでいくと、目の前に古民家が現れてきます。実はここ、花沢の里は静岡県初の国の重要伝統的建造物群保存地区。指定されるに至った経緯や花沢の里の歴史などが学べる休憩スペースもあります。
日本坂峠へ通じる街道沿いにある花沢の里集落。かつては古代の東海道と考えられていて人や物の往来が盛んにあったそう。海にも山にも通ずるこの集落ではみかんや茶などの作物を作り、まちや海から魚や生活に必要なものを手に入れる。そんな生活が営まれていた街道沿いの開かれた集落でした。
道中にあった水車小屋や瓦の山。そしておしゃれなカフェ。この集落は矧木(はぎき)や根継ぎといった昔から伝わる工法を用いて修理されている建築が特徴なんだとか。建物も昔から大切に保存されてきている様子が伝わってきます。
いたるところに無人販売が。その中でもこの無人販売所は一風変わっていました。気になって登ってみると、、、
おいてあるものの造りもおしゃれで先鋭的。現金を持ってなくてもPaypayでのお支払いが可能。自然薯や地産のコーヒーなど、みなさん興味津々です。道中であたたかい飲み物を入手できるのはうれしい。
みかんポンカンの無人販売、安すぎて、そしてめちゃくちゃ甘くてたくさん買って帰りたくなりました。私たちも20人中10人が買って帰るという人気度。無人販売所の持ち主の方が急いでたくさん袋詰めしてくださいました。そんなこんなで登っているとお寺にたどり着きました。古刹の法華寺です。
このお寺の仁王門は木造入母屋造り、銅板葺の八脚門。1703年に建てられたまさに古刹のお寺。市指定の有形文化財に登録されています。ご本堂の中におかれている木造聖観音立像は県指定の有形文化財に。本堂拝観を希望する場合は事前に予約が必要です。
■ 浜当目海岸公園
焼津に来たのにまだ海を楽しんでいない!ということで浜当目海岸公園へやってきました。遠く地平線まで見渡せる太平洋。うれしいことに波打ち際まで砂の上を通ることなく行けてしまうため、スニーカーでも砂が入る心配がありません。個人的にはちょっとうれしいポイントでした。植物も南国感あふれるものが多く一瞬リゾートに来たような感覚に。
海に来るといつもぼーっと波の音を聴きながら眺めていたくなってしまう。。。
■ ディスカバリーパーク焼津
そして最後は!おまちかね、星空撮影の時間です。星空撮影といっても、今回はプラネタリウムで撮影の仕方を教えていただきました。なぜプラネタリウム?実際の星空じゃないの?と思ったのですが、実際成澤先生の講座に参加すると撮っても納得でした。
※星景写真家・成澤広幸先生の講座 / プラネタリウムでの星空撮影は今回特別に実施していただきました。
先生のyoutube channelはこちら
まず三脚の立て方、カメラの設定、レンズの選び方など教えていただきます。それが終われば、今の季節の星空について。今実際に見える星座はどこに何があるのか、被写体を知ること、被写体を知っていないと魅力を撮ることはできないと言われているけれども星空も例外ではありません。
プラネタリウムで撮影できること自体が貴重な体験。三脚が並び、皆がカメラに向かっている景色もなかなか見られないので記念に撮ってみたり。今の時期だけ見られる木星がおうし座に、火星がふたご座に加わっている華やかな空。直前に星座や1等星2等星についての解説を受けているだけあって、星の状況がよくわかり撮影するのも楽しい。その季節その時期の星空について学んでから撮影するのって大事なことだなと実感したのです。
盛りだくさんの焼津旅!参加できて楽しかった。そしてまた焼津に行きたくなりました。
とてつもなく長編になってしまいました。ここまで読んでくださった方ほんとにすごい…!ありがとうございます。
Event by : @cameragirls.jp
Photo by : @miyoko_photo