「バスカヴィルの犬」とあの小説の相似に気づく
noteには誰も興味を持たないかもしれないけど自分にとっては本当に好きなコトを書こうと思っていたが、なかなかうまくいかない。どうしてこうも自意識過剰なんだろう。自分で嫌になる。
打破するために、今日は最近発見した「多くの人にとってどうでもいいこと」を書いてみたい。
わたしはケーブルテレビでお気に入りの番組をセレクトして観るのが好きなのだが、その1つにグラナダ版の「シャーロック・ホームズの冒険」がある。もちろんBBCの「シャーロック」も大好きだ。
https://www.mystery.co.jp/programs/a_sherlock
グラナダ版はジェレミー・ブレッドをはじめとする演技、舞台背景など、再現性の高さで話題になり、放送当時、人気を博した。NHKで放送されていたので、子供の時に観た人も多いだろう。はじめて観たのは中学生ぐらいだったかなあという記憶がある。思春期に入り今さら探偵小説という気分でもない時だったのか、あまり熱心に観た記憶がなく、今更観ているのである。デジタルリマスター版で驚くほど映像が美しい。ありがたいことだ。
小学生の時に本でホームズを知り、そのストーリーにワクワクと胸をときめかせた。中でも好きだったのが「バスカヴィルの犬」である。10歳上の兄の本にあるのを発見して読んだのである。(その本のタイトルは「のろいの魔犬」とかそういうタイトルだった気がする)本から立ちのぼる幽玄な雰囲気や、驚きの結末に胸をときめかせ、何度も読んだ。10歳上の兄の持ち物なので、挿絵なども少し古く、そういう点でも楽しかったのを覚えている。
グラナダ版ホームズでは「バスカヴィルの犬」を観たことがなく、先日初めて観た。バスカヴィルはもともと長編なので、ドラマも長い。
筋は細かいところまで覚えている。ドキドキワクワクというより、もはやノスタルジーにふける癒しタイムである。
夜中にぼんやりと観ていてハッと気づいたことがあった。
わたしが好きなもう1つの探偵小説に横溝正史の金田一耕助シリーズがある。その中でも有名な「八つ墓村」と「バスカヴィルの犬」の相似に気づいたのだ!
似ていると思った点をあげてみたい。
①主人公は突然、古い名家の跡継ぎに指名され、遠いところから呼ばれる。
②故郷に行く前に不可解な死が発生する
③故郷に帰る前に不審な人間に尾行される
④故郷に帰ると悪いことが起きると、差出人不明の手紙で脅かされる
⑤主人公の祖先が起こした恐ろしい出来事、しかも女性に対する凌辱が尾を引いている
⑥犯人は古い伝説を利用している
⑦真犯人は一見、それらしく見えない
⑧身辺で起きる不思議な出来事は呪いでも伝説でもなく、すべて人による作為的なものである
⑨犯行原因は財産に対する私利私欲(ただ何となくオカルト色あり)
⑩主人公にロマンスが発生する
ここまで並べて、夜中にハッとした。時代的にはホームズのほうが古い。横溝正史はインスピレーションを受けたのであろうか?探偵小説や推理小説は、昔からの型を踏襲するものが多いが、「八つ墓村」もそうだったのだろうか?
この類似点を主人に話すと「パクリじゃねーか!」と言ったが、わたしはそうとも限らないと思う。(こういう話を真面目に聞いてくれる主人がわたしは大好きである。)
実際、イギリスのダートムアを舞台とする小説と、岡山県境の山深い村を舞台とする小説は、それぞれが名作である。読んだことがない人もタイトルぐらいは知っているのではないだろうか。ちなみに「八つ墓村」は映画やドラマでは本当に禍々しい雰囲気があるが、実は小説ではあっさりした印象を持つ。あっさりとしたドライな文章の底にロマンや怖さが流れている。だから忘れられない。横溝正史の文章の組み立て方がそうなのだ。
そして思った。先ほどあげた相似ポイント、なんとそれこそパクった、いやインスピレーションを受けた小説や漫画、アニメの多いことか。コナン・ドイルの前にも後にも、探偵小説を書いた人は多くいるが、「バスカヴィルの犬」は今も多くのクリエイターを刺激する作品なのは間違いない。
うまくまとめてしまったが、ここで白状しよう。
相似を見つけた時点でちょっと興奮状態になった。もはや多くの人にとってもどうでもいいこと。こんなことを考えているのが本当に楽しい時間なのだ。
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