昭和の風景 レンゲ畑(奈良)

 とあるレンゲ畑でのできごとから3回ほどレンゲ畑について書いた(レンゲ畑おまけおまけのおまけ)。その中で、レンゲはいまや種を蒔いて育てるらしいことにも触れた。

 この連休、初めて奈良へ行った。全国的に田植えが早まっているそうでゴールデンウイークに田を植えるところも多いが、車窓から見えた奈良の田んぼにはまだ前年の切り株が残っているところもあり、田起こしはこれからという田が多かった。

 あちこちにレンゲ畑も見えた。遠くからでも紫がかったピンクは目を引き、郷愁に誘われた。最近知ったとおり、買った種を蒔いたレンゲかもしれなかったが。

 いうまでもなく、奈良は日本の都が置かれたところだ。権力者が本拠地を築くのは相応の条件と環境が揃っていればこそ。稲をはじめとする作物の栽培にも適していただろう。そういえば奈良は酒どころでもある。おいしい水が豊富に得られるということでもあろう。

 奈良の大雑把な印象は、おだやかでたおやか、だ。それもまた、地理的条件や物産に恵まれてきたゆたかさに裏打ちされているように感じた。鮮やかなレンゲ畑が秋のゆたかな実りにつながるように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?