文字を持たなかった昭和 二百十四(家の光)

 「藁その四、納豆」で雑誌『家の光』について触れた。「二三四(わたし)は『家の光』が届くと興味のある記事を読みふけった」と書いたが、ずっと定期購読していたわけでもない。わが家の場合――おそらく農協から頼まれて――購読する期間が時々あり、その期間が終わるとしばらく配達されない、ということの繰り返しだった。

 そんなわけで、B5版、3センチちかい厚さの『家の光』が食卓の上に無造作に載っていると、当分続けて読める、と思ってうれしかった。

 二三四が好んで読んだのは生活のヒントや料理欄だった。小学校中学年頃には習慣に近くなっていた家事や料理の手伝いに役に立ちそうな記事がたくさんあった。

 その『家の光』が健在であることを最近知った。NHKの『サラメシ』に編集長が出演していたのだ。10年以上前に出版元である「家の光協会」の看板を東京・市ヶ谷で見かけたときは「あれ?」と思った程度だったが、編集長の出演を見ていて懐かしさがこみあげてきた。

 現在の『家の光』はプロ農業者向けから対象を広げ、農や食に関心のある人だれもが読める内容になっているようだ。あと数年で創刊100周年を迎えるという『家の光』、農や食への幅広い提案を続けていってほしいと思う。

《参考》一般社団法人家の光協会 

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