宮崎にプロ野球チームやプロサッカーチームを定着させるためにも、民間の中堅・大企業の誘致・育成が必要だという話。

今日、宮崎県ではじめてのプロ野球チームが開幕戦を行ったということが、地元メディアでは報道されていました。

結果はプロなのにコールド負けの完敗だったようです。

最近は宮崎の地元メディアは、野球に限らずサッカーJ3のテゲバジャーロを猛プッシュしているような報道が目に付きます。

地元メディアの熱の入れようとは裏腹に、それほど地域で盛り上がっているという印象は個人的にはありません。

プレイヤー平均年収が数百万レベルでも、選手数十人を抱えて、監督コーチらのスタッフ、その他の運営費用を考えれば年間の運営費用は億単位を見込まなければ普通のチームにすらなりにくいでしょう。

先日 宮崎県内で売上高が高い企業を確認してみたら、売上トップでも、他県より一桁低い1000億円未満だな、という話。という記事を書きましたが、億単位の安定した利益を上げる企業が多くなければ、このような道楽とも言える事業が安定して継続していくのは不可能です。

最近何度も持ち出しているグラフですが、宮崎では農業や飲食・宿泊など極めて労働生産性の低い業種ばかりとなっていて、県内の売上上位企業もその殆どが食品会社で製造業の中でも比較的付加価値が低い業種となっています。

企業規模別、業種別に労働生産性の中央値を比較(2020年版 中小企業白書から)

個人的には、MLBやヨーロッパサッカーなどをスマホさえ持っていれば見られる時代に、地域に弱いプロ野球やプロサッカーチームを作ることにはあまり賛成ではありませんが、地域のプロスポーツを強くして安定した運営を可能にするためにも、農業や飲食・宿泊などではない別の産業を地域に地道に育てていく必要があると思います。

政治的には JAや観光業界の票が多くて、製造業やその他の労働生産性の高い業種の誘致が進まない状況が変わらない限りは、形だけプロスポーツを作っても、新たなゾンビ企業が生まれるだけで、地域の振興にはつながりにくいでしょう。


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