見出し画像

5 マサラタウン(地元)

昔何かの動画で、ずっと地元にいるのは、ポケモンで言うとマサラタウンにいるみたいなもんと言ってた。出会うポケモンも毎回一緒で、新しい発見も新しいポケモンとも出会うことがない。それにまず住んでいる町がいい町だと思えるかは、知らない町を知ったからこそ言える。だから冒険に出ないともったいないと。

確かにそうだなと思った。私は、県外はおろかまだ違う町にも住んだことがない。そろそろ一人暮らしを始めないといけないかなとも思っている。
そーいえば先日会社の先輩に、君はどこに住んでるの?と聞かれ住んでる町を答えると、あそこ家賃いくらなの?と聞かれた。いやまだ実家です。と答えると驚いた顔をされた。その時、あ、もう1人暮らししてるのが当たり前の年齢になったのだなと。正直凄く焦った。
最近知ったのだが、子供部屋おじさんという言葉があるらしい。略すと(こどおじ)意味は、成人になっても実家の子供部屋にいることらしい。
よくもまあそんな言葉を作るもんだ。耳が痛くなる。誰だこんな言葉を作ったのは!!やめてくれよぉと叫びたくなるが、そろそろ一人暮らしを真剣に考え始めた。
確かに新しい発見はないかもしれないが、私が住む町も変わってきている。ここ1.2年で思い出深い場所が次々に変わっていっている。

幼稚園生の頃から通っていた近所の駄菓子屋。ここでははじめて算数って物を教えてもらった。五円玉を5枚持ち五十五円の駄菓子を買おうとするとそれでは買えないよと優しく教えってもらったな。

小学校の帰り道なぜか麦茶をもらっていた近所のクリーリングや。

中学に上がり、坊主頭に気合を入れる時に利用させてもらっていた散髪屋。何故か坊主頭に得体の知れないいい匂いの液体をつけてくれる。あそこでしか見たことがない。笑。

夜中12時を超えても一生懸命勉強を教えてくれ、馬鹿な私を高校に入学させてくれた塾。

メロンパンは、ここのが1番美味しいと思い、最近まで通わせてもらっていたパン屋。店主の体調不良により引退という事らしい。

どれも思い出が沢山詰まっている。正直寂しい気持ちしかなかった。
でも、ほとんどの店が30年~50年続けていたらしい。凄いことだど思う。色々な物と戦いながらも守り続けたこと。そして私たちを笑顔にしてくれたこと。この大変さは、私では想像もできない。

たにかし、様々な町に行き色々な経験することも大切だと思うが、同じ町でそこに住んでいる方々を長年支えること、そして笑顔にさせること。どちらがいいかと聞かれれば、私には、答えることはできない。両方かっこいいし憧れる。

終わりがあれば、始まりもある。

駄菓子屋さんは、そこの息子さんのお嫁さんが新しく理容室を始めた。行ってみるとカウンターだけ当時のままだった。長年使われてきて、年季が入っている。
ここだけは、変えなかったんですね?と聞くと
そうです。ここが一番のこだわりです。そこに気づいてくれるのは、嬉しいと言われた。いや嬉しいのは、私のほうだ。

時は流れ、街の景色も少しずつ変わっていくが、暖かみは変わらない。だからこそなかなか出られない。でも勇気を出して一度マサラタウンにさよならばいばいをしなけらばならないとも思う。この町の良さを分かるためにも。

あ、トキワシティ(隣町)でいいかな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?