見出し画像

岸田さんの株は上がるかもしれない

9月29日の自民党総裁選。最初の開票で岸田さんのトップが判明すると、日経平均株価はスルスルっと下落しました。失礼な相場です。岸田さんを特に支持していたわけではありませんが、私だったらヘコみます。

ついでに円も安いですが、これはラッキーですね。もし円高が重なっていたら、株式相場は目も当てられないことになっていたでしょう。もっとも、円安は岸田売りではなく、米金利上昇の影響がほとんどだと思います。

クセが強い他の候補者に比べると岸田さんのインパクトは弱いので、常に刺激を求めるマーケットはいったん失望したのかもしれません。逆に言えば、実際の経済対策の内容が良ければ、マーケットが今後持ち直す可能性は十分あります。

例えば、岸田さんは総裁選の期間中に「Go To キャンペーン」の再開に言及しました。飲食や宿泊などに使途を限定してポイントを還元する手法は、効果がありすぎてコロナ感染者の増加を招いてしまった印象があります。2019年10月の消費増税時に期間限定で実施されたキャッシュレス決済のポイント還元も、駆け込み需要の反動減をかなり和らげたように思います。

岸田さんの特技は「人の話をよく聞くこと」だそうです。過去には、首相になると官僚の話ばかり聞くようになったケースが、少なからずあった気がします。それはそれで、経済を上手く回してくれれば別に構いません。

私のエコノミスト時代のつたない記憶では、霞が関は恒久減税には断固反対だけど一時的な減税には寛容でした。

消費税率はいま10%です。これを法的に引き下げることには激しい抵抗が予想されます。しかし、ポイント還元のような一時的かつ実質的な消費減税は、意外とハードルが低いのではないかと予想します。

岸田総裁が首相に任命され、迅速にポイント還元制度を復活すれば、その景気浮揚効果は大きいと思いますし、株式市場も手のひらを返したように、岸田首相を高く評価するのではないでしょうか。


お読みいただき有難うございました。 小難しい経済ニュースをより身近に感じて頂けるよう、これからも投稿してまいります。