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私達を踏み台にして、立派な経営者になって下さい #管理職は必要ですか

かつて直属の上司(部長)に対し「もし部長が親会社からの出向者でなければ、ウチの会社で部長にはなれませんよね」と言ってしまった事があります。今から10年以上も前、別の会社に勤務していた頃の話です。

その部長は私の発言にショックを受けていました。でも私は当時、なぜショックを受けるのだろうか、当たり前のことなのに、と思いました。

親会社と子会社の間には、職位や肩書の格差が当たり前のように存在します。親会社で課長だった人が、子会社に行けば部長と呼ばれるというケースは珍しくありません。

私は、企業グループ全体の企業価値を高めるためにも、親会社から出向してくる管理職は必要だと思っています。親会社の職員が子会社で、やや背伸び気味に管理職の経験を積み、将来的にはグループ内の各事業の連携を図れるような人材に成長してくれれば、子会社とその従業員にとっても大変ありがたい事です。

もちろん、マネジメント能力のまるで無い管理職が親会社からやってくる可能性があります。しかし、それは親会社の経営判断であり、グループ会社に対する評価です。部下はその管理職を力づくで追い出すか、自らが職場を去るしかありません。もっとも、そうした会社はいずれ、管理職の育成や登用のあり方を見直す事になる気がします。

ちなみに、私が所属しているような金融機関のリサーチ部門では、だいたい2種類の管理職が上司として存在します。1つは親会社からやってきた管理職、もう1つは現場で採用された、いわゆるプロパーの管理職です。チーフエコノミストとか、チーフストラテジストと呼ばれる人達ですね。

プロパー管理職さえ存在すれば、もし親会社からの管理職がどうしようもない人物でも、業務は継続します。ただ、業務のエキスパートであり、顧客からの信頼も厚いプロパー管理職は、いつ同業他社に引き抜かれてもおかしくありません。彼らを自社に留まらせるのが、親会社から出向してきた管理職の大事な仕事の1つなのかもしれません。

もっとも、今みたいに景気が悪くなると、彼らには高処遇のプロパー管理職を追い出す役割が期待されている気もします。気のせいだと良いのですが。

#管理職は必要ですか

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