【🌎私の地球カリキュラム⑤】中学校の入学式 

私は、無事に小学校を卒業し中学生となった。

そして、中学校の入学式の朝。

とってもお姉さんになった気分で、
ピカピカのセーラー服に袖を通し、
白いスカーフを胸元の輪っかに通してルンルンだった。

真新しい自転車に乗って、
生まれて初めて自転車で山を降りた。
中学校までは、約5キロ。
小学校の同級生、数名と一緒に登校。


村には暗黙の掟があった、
村の子供は中学生になるまで、
自転車で山を降りてはいけない。

山のてっぺんの村で育った子供達は、
中学校の入学式の日、子供達だけで初めて自転車で山を降りることを許されるのである。 

山の上の村には、
二軒の駄菓子さんがあるだけ他にお店は無い。

だから、買い物に行く時は必ず車で山を降り、保護者同伴となる。

しかし、
中学生になった瞬間に解禁になるのだ、
嬉しいような怖いような感じ。
だから、
1人ではなく集団でゾロゾロ連なって入学式に向かうのである。

山から降るので行きは全て下り坂、
ほとんどペダルを踏まなくても中学校に着く。

行きはよいよい、
帰りは怖いだが、
ワクワクしながら中学校に到着した。

自転車を停めてグラウンドに集合した。

新入生は、それぞれのクラスに分けられた。

私は一年一組、ドキドキしながら並んでいた。
その時私は、気がついてしまった。
スカーフの形。

誰もセーラー服の胸元の輪っかにスカーフ通していないし、後ろの三角も出してはいない、
みんな可愛く綺麗に結んでいた。

あれ?あれ?何で?私だけ?
直ぐにスカーフを外し、
まず背中の三角を隠した。
そこから何とかスカーフを結ぼうと悪戦苦闘したがが、ダメだった。

人見知りの私は、
周りの人に聞くことも出来ず、
とりあえず自分で結んでみたが上手く結べない、どうしようと思っているうちに入学が行われる体育館へと、移動になってしまった。

何とか結んだスカーフは、
見るも無惨な姿になっていた。

スカーフのことが気になって入学式の事は全く記憶に無い。

いつの間にか、入学式は終わっていた。

早く帰りたい、
この場を離れたい気持ちでいっぱいになり、
そそくさと中学校を後にした。

帰りも村の同級生達と、ゾロゾロと帰る。

しかしここで、
山のてっぺんに住んでいるということが、
どういうことなのかを思い知る。

行きはほぼスーッと下り坂。

逆を言えば、
帰り道はほぼ上り坂ということになる。 

かなり急な上り坂を自転車を漕いで登るのは
不可能。
ほぼ自転車を引いて歩いて登らなければならない、かなり辛い修行である。

桜の花咲く4月、
日差しがキラキラと眩しいお昼前。

ピカピカのセーラー服を汗ビッチョリにして、5キロの道のりを1時間かけ登り帰った。
(−_−;)

山の上の村に暮らす子供は、
これくらいで辛いとは言っていられない、
当たり前のことなのである。

そんなこんなで、私の中学生生活が始まった。

夢と希望に満ち溢れた心は、
この後、
すぐに打ち砕かれることとなる。

さて、何が待ち受けているのやら?


   【私の地球カリキュラム⑥】へつづく

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