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ジムノペディ No.1

サティを弾いてみた。ジムノペディの第1番。

楽譜はビギナー向けに分類されてある。自分みたいに遊び程度でたまにピアノをさわるくらいの人間でも1週間もあれば音がとれるようになる。

左手のジャンプと9度まで開く指を克服すれば、あとは似たような和音に紛らわされなければ一応形にはなるのだ。サティ曰く「苦しみを持ってゆっくりと」弾いてくれ、という曲なので、スピードも焦らず音を拾っていけばいい。

しかし、簡単でゆっくりな曲であればあるほど、それを表現するのは至難の業。テンポ、強弱、間のとりかた、エトセトラエトセトラ。鍵盤を押し下げるたびに「うわっ、ほしいのはこんな感じじゃないんだよぉ〜」と泣きたくなる。

音楽に限らず、物事はシンプルであればあるほどごまかしがきかないばかりに奥深く難しい。料理で言ったらスクランブルやオムレツなどの基本の卵料理のように。

シンプルをスマートにこなせるようになるには「苦しみをもってゆっくりと」努力するしかなさそうだ。納得のいく演奏ができるまで、先は長い。

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