そして本格的なアルコール依存症に… (その2)
断酒20年のヨウスケです。
学習塾も見事にアルコール問題で脱落し、彼女にも愛想をつかされて結局実家で酒浸りの毎日を送っていました。
お金が無くなると親父の焼酎を失敬してチビチビと。
疲れて仕事から帰ってきた父親が飲もうと思った焼酎が半分以上減っているのを見て何と思ったか考えると今でも心が痛みます。
アルバイトを探して旅費を稼いでアメリカに行くということで、塾の方は休職という話になってましたが、コンビニで無料の求人誌を貰ってきて目を通してみるも全く気乗りがしません。
結局、何も行動を起こすことなく日にちだけが過ぎていきます。
見かねた父親が知り合いの人に
「ちょっとこいつ使ってやってもらえないか」
と頭を下げてくれて、全く畑違いではありましたが、理系の分析関係の仕事の手伝いのアルバイトに行くこととなりました。
慣れない仕事に、塾の方もどうなっているか気になるし、前の彼女に対する未練というか、情けないやら悔しいやらでアルコールも相変わらず減らず、毎日2時くらいまで部屋で飲んでました。
朝に酒の匂いを指摘される事が多くなり「え?」と思いました。
朝から飲んでるならともかく2時には切り上げてるのに…。
今考えたらビールのロング缶を毎日6本、その後に焼酎をお湯割りで5~6杯は飲んでたので朝になっても酒が抜けてないのは当たり前ですが。
仕事の方は私でもできる範囲で任されて、立場的には一番下っ端で怒られながらも温かい人たちに囲まれ、時々飲みすぎて遅刻したり、休んだりしながらも半年ほどお世話になり、多少の貯金もできて渡米も現実化してきました。
渡米は8月1日からの1ヶ月間ということに決まり、約3ヶ月の空白ができました。
罠でした。
一応日常英会話の本を買ってきて目を通してみるが、その気になりませんし全く頭に入りません。
とりあえず外出するも行くのはパチンコ。たいてい負けて帰宅してビール。たまに勝っても祝勝会。
友達と会っては
「向こうで殺されるかもしれないし、一緒に飲めるのも最後になるかも」
ということで居酒屋でしこたま飲みその後も友達の下宿で泥酔会。
毎日飲みっばなしなので体調もすっかり崩し、食欲もないので食べられるのはコンビニで売っているトコロテンのみ。
そんな毎日なのであっという間に貯金も目減りしていきます。
「ヤバい…。旅費にまで手をつけてしまってる。英会話の準備もろくに出来てないし、もういっその事行くの止めてしまおう。そう、それがいい。
体調も悪いし、こんな状態で向こうに行ったところで何も変わらない…」
一方そのアメリカの遠縁の親戚にあたるおばさんからは
「もうすぐだね。楽しみにしているよ」
との手紙が届く。
70歳も過ぎていたかと思いますが、少女のように興奮し、ワクワクしているのが英文の手紙からも伝わってきます。
心は焦り揺れ乱れます。
中学生の頃からの夢を叶えることと約束を果たすことが、アルコールとパチンコによってすべて台無しにされようとしている。
パスポートは習得済み。往復の飛行機のチケットは海外旅行慣れしている塾の理事長に頼んで安く手配してもらっていました。
旅行代理店にチケットを受け取りに行った際に26万円の支払いをする約束。
7月も中旬になり本格的に準備も済ませなくてはならなくなりました。
さあ、切羽詰まりました。
続く
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