窮地を救う魂の投球!!坂本光士郎 2023.9.30ロッテVS西武
2ボール、1アウト満塁。
え、ここから?ここから投げんの?ここで投げんの?
それでなくてもデリケートなリリーフの初球。
よほど大胆な心持でないと、投げられない。
坂本光士郎の1球目は、絶体絶命から始まった。
渾身の初球は、インコースわずか外れた。
ノースリー。
フォアボールでも押し出し、決勝点になりかねない貴重な得点となる。
1点勝負のぎりぎりの場面。
しかし、ここからだ。
1ストライクを取ったあとのボールは、コースを外れるも打者・鈴木が振りに行ってファウル。
ふう、助かった。
勢いを増すレフトスタンド、ライオンズのチャンステーマ。
ああ、このチャンステーマ、大好きなんだよ。
でも、この場面では、憎らしさしかない。
最後はアウトに151キロのストレート。
鈴木のバットは空を切る。
仕留めた。
マリーンズベンチには、俯き目頭を押さえる益田直也。
満を持した9回の登板。
源田にうまく掬われヒットを許し、四死球で満塁。
1アウト満塁から、2ボール。
ストライクが入らない。
ここで、吉井監督の決断。
これまでなら、続投させたであろう。
ましてや、投手は、益田直也である。
しかし、吉井監督は、命運をかけた決断をした。
打席には、外崎修汰を迎える。
1ボール2ストライクからの5球目。
インコース低めのストレートがバウンドする。
身を挺して止めるキャッチャー・佐藤都志也。
逸らせば1点、緊迫のプレー。
しかし、この1球が効いた。
同じようなコースにカットボール。
振りに出た外崎、止めるも、判定はスイング。
二者連続三振。
絶体絶命の窮地を、魂の10球で勝負した坂本光士郎。
見事に乗り切った。
最高にかっこいいぜ!!
ZOZOマリンが揺れる、沸き立つ、最高潮のボルテージ。
こんな試合、勝たないわけにはいかない。
ここで勝ち切れば、またマリーンズにあの勢いが戻ってくる。
ゲームは、延長に入り10回裏。
先頭の茶谷健太が三遊間を割って、レフト前ヒット。
いやもう、それまで3三振さんざんな結果なんだから、打たないわけにはいかないよな。
荻野の内野ゴロで進塁、藤岡四球で、1アウト1・2塁。
ここで、角中に代えて石川慎吾。
左の西武・佐藤隼輔に、左キラーを当ててきた。
もう絶対打つよ、こんなシチュエーション、打たないわけがない。
マリーンズに加入して、ほんとこういう場面では絶対結果を出してきた石川慎吾だ。
2球続けてチェンジアップ、2ストライク。
さあ、ここだ。
燃え上がれ、燃え上がれ、勝利を掴み取れ〜!!!!!
ライトスタンドから、チャンステーマが燃えがある。
3球目もチェンジアップ。
低めを掬いあげた。
右中間を破った。
代走・和田康士朗は、ヒットを確認して、一気にホームイン。
ヘルメットを高く放り投げ、ポランコと抱き合う石川慎吾。
さあ、水かけ祭りだ。
狂喜乱舞のお祭り。
ソフトバンクも勝った、楽天も勝った。
だからこそ、このサヨナラ勝利は大きい。
ただの1勝どころではない大きな意味をもつ。
この勢いで、CS行くぜ!
ベンチ裏で、坂本にすまないと詫びを入れたという益田。
いやいや、その何十倍も貢献してんだけどね。
でも、きっと益田も、この悔しさをきっちりリベンジしてくれるはずだ。
CSという大舞台で。
ここからだ!
戦え!千葉ロッテ!!