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ずっと待ち望んでいるのにまだ発明されないもの

ちいさい頃、ある児童書を読んでからずっと発明を待ち望んでいる商品がある。

その本の作者はロアルド・ダールというイギリスの方。タイトルは「チョコレート工場の秘密」と言う。もしかしたら多くの人が知っているのは、2005年にジョニーデップ主演で映画化された「チャーリーとチョコレート工場」の方かもしれない。
(ロアルド・ダールさんの小説は素晴らしすぎる。なんと天下の宮崎駿もロアルド・ダールのファンらしい)

あらすじを簡単に書いてみる。

舞台は巨大なチョコレート工場がある町。ある日、工場主であるウィリーウォンカは自社製品のチョコレートの中にゴールデンチケットを5枚封入し、当たった人を工場見学に招待すると発表する。毎日キャベツスープを薄めて飲むような貧乏な家庭で生まれた少年チャーリーはなんとそのツアーに当選。他の当選者と奇想天外な工場見学に出発する。

ウォンカの工場の中には魅力的なものがいっぱいある。「チョコレートの川」とか「永遠になくならないぺろぺろキャンディー」とか「チョコレートミルクを出す乳牛」とか。子供心をくすぐるラインナップだ。

その中でもわたしを釘付けにしたのが
『フルコースガム』なる食べものだった。

名が体を表しているが、この商品は「一つのガムでフルコースが味わえる」という奇跡的な商品である。

食べ始めはトマトスープだが、少しするとローストビーフ、ポテト、とどんどん味が変化していき、最後はブルーベリーパイのデザートまで味わうことができる。しかも、味だけ再現したチープな感じではなくて、本当に食べているような感覚がするのだそうだ。
(実際には開発途中の試作品で、ブルーベリーパイまで行くと恐ろしいことが起こる)

はじめてこの本を読んだ時、わたしは小学校三年生だった。このガムにいたく感動したわたしは、自分だったらお母さんが作る「刻みゆで卵入りのコロッケ」をフルコースに入れようと考えたり、まだ食べたことのなかった「ろーすとびーふ」のおいしさを想像して心を躍らせた。
そして、わたしが大人になる頃にはフルコースガムができていて、「ろーすとびーふ」を鞄にいれて持ち運べるのかなぁ…などと妄想した。

それから二十年あまりが経った今。かなり技術は進歩したのに、全然ろーすとびーふを携帯できる気配がなくてすこしがっかりしている。

出てきたものといえば、ジンギスカン味のキャラメル、ナポリタン味のガリガリ君、一平ちゃんのショートケーキ味、などなど。
企業の方々の試行錯誤は痛感しすぎて胸が痛いが、フルコースガムまでは正直まだかなり距離がある。
……気がする。

シリコンバレーのエンジニアさん。お菓子メーカーの優秀な研究者さん。できたら必ず買うので是非ともお願いします。
飽きると思うので、ダブルチーズバーガーセットとか、もし余裕があれば今半のすき焼きコースも美味しいので入れて欲しいです。

コーンポタージュ味のガリガリ君はおいしかったし、案外早く行けるんじゃないかなぁ。


会社休むことにした話を書こうとしたのにうまく書けなくて久しぶりの記事がこれになりました。夢を忘れたくないという気持ちと勢いです。

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