日々のこと 0809
6月末、通っていた美容院が閉店した。毎月1回、10年近く通っただろうか。
小さい個人経営の店で、スタッフは店長以外に1人。その1人は何度か入れ替わり、ここ1年ほどは店長のみだった。店長は私と同世代くらい。約2時間の施術の間、毎度いろんな話をした。
コロナ自粛の間も、店は対策しつつ休まず営業を続け、私も普通に通った。何があっても髪は伸びるのだ。
「店を閉めることに決めた」と聞いた時「コロナの影響?」と尋ねたら「うーん、どうしようもなくて潰れるってわけじゃないけど、コロナが背中を押してくれた感じ」と言っていた。
「常連客のおばちゃんに『アンタは欲がなさすぎる。シャンプー売りつけたりしないしすぐ割引するし、赤字でしょ!』と怒られたけど、そういう理由でもないよ」
「でも内装まで自分でやった店でしょ。自分の店がなくなるの、寂しい?」
「そりゃ寂しいよ! でも、もうしょうがない」
6月末の営業最終日、髪は切らずに、ワインだけ差し入れに行った。
7月、新しい美容院を探さなくてはいけなくなった。
ネット検索したら、自宅から徒歩5分の場所に美容院があった。知らなかった。めちゃ近い。
さっそく予約し「良さそうだったら通おう」と思いながら行った。
お洒落な店内、雰囲気よい。結構若い店長が一人、雰囲気よい。
「うち近所なんです。いつからあるんですか?」と聞いたら「5年前です。まあでも、今週で終わるんですけど」と言われた。
「えっ」
「あと3日で、閉めるんです」
「えっ…」
なんということだ。私がここへ来た理由を伝え、なぜ閉めるのかを聞いた。
「んー、俺もコロナ直接ってわけじゃないです。でももう本当、店を続けるのがしんどい」
「私の行ってた店は、コロナが背中を押したって言ってました」
「あ。自分もそんな感じかも」という会話をした。
いつまで続くか知らないけれど、少しずつ大事な店や身近な店がじわじわなくなっていく現実を実感している。
変化の時といわれれば、そうかもしれない。変わっていくのは悪いことじゃない。変わらないものなんてない。変わらずにいてほしいなんて自分勝手な都合だし、変えないためには、変わらなくてはいけない。納得と受け入れることは同じではなく、口で言うのは簡単。
とりあえず分かっていること。
私は、今月行く美容院をまた探さなくてはいけない。
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