見出し画像

日々のこと 1007

昨日行ってきた岡村ちゃんのライブがとっても楽しかったので、それについて書こうかな! と思っていたのだけど、夜になって「あいちトリエンナーレ全面再開」というニュースを見たら「そっちにしようかな」とふと思った。
その話はずーっと考え続けているし、書くことで少しは整理できるかなとも思った。
で、書き始めたのだが、書いては消し書いては消し、最終的に「たかだかブログになぜこんなに苦しんでいるんだ!」という気持ちでいっぱいになってしまったので、まるっと中止した。ああ、表現力の不自由さよ。

考えを伝えるのは大変だ。
どうしてもコレを、この素晴らしいものをまだ知らない人に紹介したい! という思いで突っ走る方がラクである。嬉しいし。

こないだ岡村ちゃんがトリエンナーレでトークショーをやってくれた。目の前でそれを見たのだが、あの人はことごとく自分の話をしない。本当にしない。これまでの対談などでもそうなので、ファン周知の事実だと思う。「今日はそれをいっぱい聞けるかも」と期待したのだが、壁は厚かった。
お相手はインタビューの達人・津田大介さん。うまいこと誘導しては岡村ちゃん自身の話をさせよう、させようとするのだが、彼はそこから逃げまくっていた。
別にプライベートに踏み込んだことを聞こうってんじゃないのよ、「岡村さんはどんな時にインスピレーションが沸くんですか?」とか、そんな程度。普通に「お風呂入ってる時ですね~」とか答えてくれたらきっとほぼファンで構成された聴衆は満足するだろうに、どうにも的外れともいえる答えの連続に「この岩壁は想像以上に厚い!」と実感した。
この人も、自分のことや、考えを話すのが苦手なのだろうか。あんなアクの強いステージをやってるくせに。
いや、あれは彼にとって、スーツを着た『岡村ちゃん』という着ぐるみなのだろうか。まあ、そうだよなぁ。

あの日、ふらりと壇上に登場した岡村靖幸さんはスニーカーにデニム、薄手のパーカーみたいなラフな格好だった。それだけでこちらは「こんなん初めて」とテンション上がるのだけれど。
昨日は、ステージの岡村ちゃんは輝くライトを浴びていつものように激しくダンスしまくり、素晴らしい歌声を響かせまくり、私たちを魅了してくれたのだけど、私の脳裏には先週見たばかりの、ラフなデニムとまあまあ綺麗だったスニーカーが浮かんでいた。自分のことを語らず、時々考え込みながら言葉をつないでいた人が、今日はこんなふうにステージで身をかなぐり捨てて暴れている。

岡村ちゃんがマイクスタンドと絡んだり、投げキスを大放出したりするたびに大げさに爆笑する「初DATEな人々」というのが必ず毎回いる。しかしもれなく最後には「スゲー、かっけー!」と叫んでいる。昨夜も後ろにいた若いお嬢さんが「54歳なんて信じられない、浮気したーい!」と彼氏に興奮して話していた。誇らしい限りである。

自分のことを話すのが恥ずかしい、という話ではないんだろうな。私もそうです。恥ずかしいからじゃないんだよね。うまいこと伝えられなかったり、話しながら「あれ、なんか思ってることと違うな」と感じたり、あんまり自分に興味なかったり信用してなかったり、そんな感じ。
「私が私が」とずいずい前に出て言える強いことなんて、そんなにたくさん持ってない。
もちろん大切なことはあるけどね。簡単には伝えられない。 私の場合はね。

岡村ちゃんの場合は、知らんけど。




記事を気に入ってくださったら。どうぞよろしくお願いします。次の記事作成に活用します。