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『僕が死ぬまでにしたいこと』

本当の人生

本当の人生ってなんなんだろうか。
本当の人生はこの小説内に繰り返し登場するキーワードだ。
自分の意思と関係なくたまたま世界に誕生しただけでは本当の人生は歩めないのだろうか。

途中まで本当の人生は社会が求めるティピカルな人生像なのかと思っていた。社会人としてしっかりお金を稼ぎ、結婚をして子を持つ。この主人公固定概念に囚われていて生きづらそうだなと思っていた。

しかし、どうやら彼の結論は違うらしい。

人を愛することでしか、自分や世界と和解できないのなら、逆に言えば愛する人ができた瞬間から、本当の人生は何度でも起動するのだ。

僕が死ぬまでにしたいことより

彼の結論によると、愛する人ができればそこから本当の人生が始まるらしいのだ。人生が他者の存在によって始まるなんて私は絶望である。自分だけでどうにもできないじゃん。

他者の存在って人生を面白くするための不確定要因なのかもしれない

友人が人生は壮大な暇つぶしと言っていた。(調べたらどうやらホリエモンが言っていたらしいけど、ホリエモン信者だったのか友よ…)その暇つぶしを一人の力だけで面白くするのにはなかなか難しいから、その不確定要因で一喜一憂する。他者は暇つぶしにぴったりの存在だ。

最近私はぶり返し思春期でなんのために生きてるかわかんねぇなぁのターンに入っていたので、そう考えると自分が愛おしく感じてきた。刺激を求めて私は今他者を求めているのかもしれない。

結局本当の人生ってなんなのだろうね

わかんねぇよ。そもそも人生に本当とか嘘とかそんな形容詞がつくのかすらわからない。思春期の人に聞かないでくれ、と開き直れるくらいのずうずうしさを33年生きた結果として身につけている。しつこく聞いたら旅に出るぞ!

なんかずっとわからない気さえする

思考を傍に置いておいて、向き合うの怖いなぁって言ってたらおばあちゃんになる気がしなくもない。これは逃げなのかもしれない。しかし、本当かどうかなんて結局どうでもいい気がするのだ。ただ、これでよかったのだと思って死ねればいい。そしたら私は最期まで自分に諦めないで人生を走りきれた気がするのだが、さてどうだろうか。

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