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北海道移住を自分で選んだよ

北海道の農家の長男であるエスシと結婚したけれど
当初は北海道で暮らすなんて考えられなかった。
考えたくなかった。

エスシと私は東京で出会ったけど
エスシは地元が大好きで
「いずれは北海道に帰って暮らしたい」とずっと言っていた。

それを私は知っていたけれど
関東で育った私は東京を離れるつもりはさらさらなかったし
エスシだって、東京での生活を楽しんでいたから
このまま なし崩し的に
ずっと東京で便利に楽しく暮らそう、と
思っていた。

東京には何でもあるし
地元に日帰りすれば、友人たちにもすぐ会えるし
仕事もしてるし
東京を離れる理由って、なかった。

あと、心の奥には
「結婚したからって、夫の実家のほうに移住する必要なくない?」
という本心も、あった。

いや、なんていうのか。
いまどきそんな考えって、もう古いのかもしれないけれど
古い世代の親に育てられた世代の私には
「結婚したら、妻のほうが夫の実家のほうに行く」という
昔ながらの固定観念が、深層心理にあったのだろう。

だから自分自身でその考えを否定したくて
「エスシと結婚しても、北海道に住むつもりはない!」

北海道のことは好きだけど、ずっと思っていたのだ。

エスシだって、別に家の仕事を継ぐとか継ぎたいとか言わないし。
まあ、いずれはね。
二人とも仕事をリタイアした老後とかに、のんびり暮らすとか、
そんな先のことだったら、まぁ、無くはないかもね。

しかし私が北海道日本ハムファイターズファンになってから
状況が一転。

東京ドームでもZOZOマリンでもベルーナでも鎌ヶ谷でも
試合を見たけれど
北海道で!本拠地で!
ファイターズを応援したい!!という気持ちが高まり

新球場が開場した2023年に
北海道での就職を目指して転職活動を開始。

夏に試験に合格。
まさかの結果にエスシも私もひっくり返った。
そして2024年春、東京を離れて北の大地へと降り立ったのだった。

自分で選んで自分で挑戦して、自分で勝ち取った転職。
大学受験も就職も一回目の結婚も、うまく選べてきたとは言えなかった私が
実感を持って「自分で選んで、がんばった!!!」と思えた。

もともと、北海道で暮らしたいと言っていたのはエスシのほうだったけど
まさかの推し活熱の高まりで、私のほうが前のめりで北海道に乗り込むことになるとはね。

でも私、良かったと思ってる。
私自身がファイターズを好きになって、私自身の希望で
「北海道に移住したい!」と思えたこと。

もしも、特になにも起こらずに
「結婚したら、妻のほうが夫の実家のほうに行く」という
誰かに直接言われたわけでもない、いつの間にかの呪いに導かれた結果の移住だったら
わたし、いつかエスシを恨んでいたかもしれない。

この先、なにか上手くいかないことがあったら
「あなたが地元に戻りたいって言ったから移住したのに!」とか
「だから私は来たくなかったんだよ!」とか。
私だったら、言い出しかねない。

だから、そうならないように、そうしないように
自分の意思で北海道で暮らすことを選べてよかった。

まだ北海道での生活は半年弱。
これから厳しい冬を経験して
寒さに弱い私は
「やっぱり無理!東京帰りたい!」ってなるかもしれない。
けど、そうなったらまたそのとき、
この先どうするのか、どこで暮らすのか、選べばいいよ。

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