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新入社員向けメンタルヘルス研修をアップデートするには?

自己紹介

ベターオプションズ代表取締役の宮中大介と申します。メンタルヘルスや組織開発関連ビジネスの開発支援、人事・健康経営関連のデータ分析に従事しています。株式会社ベターオプションズ:


はじめに

最近では多くの企業において新入社員研修の中にメンタルヘルス研修が含まれていると思います。企業によっては対面での集合研修ではなく 、e ラーニングで実施している企業もあるかもしれません。

新入社員の立場からすると、このメンタルヘルス研修はとかく眠いものになりがちです。企業にとってはお金をかけて実施しているのに、実際の効果に繋がらないと投資対効果が小さくなってしまうことになります。

弊社では、昨今の流れを踏まえて、企業で実施されるメンタルヘルス研修の内容もアップデートしていくことを推奨しています。アップデートのキーワードとしては、①若い世代に寄り添った現実的なテーマと、②ポジティブ心理学の導入です。

若い世代に響く内容にアップデート

現在多くの企業で実施されているメンタルヘルス研修は、ストレスへの気づき、ストレスへの対処、生活習慣の注意点といった内容が中心と考えられますが、講師がよほど話が上手くない限り新入社員が眠くなってしまいがちな内容です。
そこで、若い世代が興味を持ちそうな身近な話題を取り入れていくことが考えられます。例えば、近年問題になっているスマホ依存の問題を取り上げることも一案だと思います。スマホ依存のように若い世代が興味を持ちそうな身近な内容から、ストレスのしくみ、ストレスへの対処の仕方、外部の相談機関の活用等の企業で働く立場で必要となるセルフケアについて触れていくことが考えられます。

ポジティブ心理学を盛り込んでアップデート

メンタルヘルス研修では、メンタルヘルス不調を予防する重要性、日頃の健康管理の重要性などが扱われると思われますが、ネガティブな話が多いため暗い雰囲気になりがちです。そこで、メンタルヘルス研修に近年注目を集めているポジティブ心理学を取り入れた攻めの内容を盛り込むことも検討しては良いのではないでしょうか。

ジョブ・クラフティング

ポジティブ心理学とは、人間のポジティブな側面に焦点を当てた心理学です。「ウェルビーイング」といった人生の幸福といった大きなテーマから、職場で自分の強みを生かして働くには?という身近なテーマを扱っています。その中でも、ジョブ・クラフティングについてメンタルヘルス研修で扱うことが考えられます。ジョブ・クラフティングとは、簡単に言えば、「働いている方がやりがいを持って働けるように、働き方を工夫する手法」です。仕事の範囲や内容を変えていくことや、仕事上での人との関わり方を変えていく、仕事の捉え方を変えていくことで仕事のやりがいを向上させていけると言われています。新入社員にとってはそれまでの与えられる立場、サービスを受ける立場から、自らが動いてサービスを提供する立場に転換することの意識改革が求められますが、主体性を重視するジョブ・クラフティングはまさにそうした新入社員に求められる意識変革とも相性が良い内容だと思います。

ジョブ・クラフティングに関しては、研修に盛り込みやすい内容が、資料として公表されていますので、これを参考に研修に盛り込むことを検討されても良いかもしれません。

https://hp3.jp/wp-content/uploads/2019/09/14.pdf

感謝や親切

ポジティブ心理学の研究では、人に感謝する、親切にするといった行為が本人のメンタルヘルスやウェルビーイングにとっても良いということが明らかになっています。

このことを踏まえて、入社間もない新入社員に、改めて、人に仕事を教えてもらったり手伝ってもらったりした際には、感謝を言葉にして伝えることの重要性をポジティブ心理学の知見を踏まえて伝えることが考えられます。また、困っている人を手伝う等、人に親切にすることの重要性を研修の場でも改めて推奨するということに意味があると思います。単に人に「感謝しなさい」 、「親切にしなさい」というと上から目線のお説教になってしまいますが、特に最近はポジティブ心理学をベースにした自己啓発書が若者にも読まれていますので、ポジティブ心理学の知見を元にこうした内容を伝えることで若手社員の心に響く可能性があります。

以上のような内容を踏まえて、新入社員向けのメンタルヘルス研修をアップデートしても良いかもしれません。


以 上

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