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アンコール

お世話になっているSajipanオーナーのまゆみさん、そして私にオカリナの楽しさを教えてくださった松山さんが団長を務めるサウスウィンド吹奏楽団の定期演奏会へ行ってきました。
感動を、言葉に変換するのは本当に難しいと感じる。

開幕前のブザー、チューニング音、ホールのざわつき。
スポットライトで光る金管楽器、クラシックステージとポップスステージのガラリと変わる雰囲気。
パンフレットを開けた瞬間、好きな曲目が載っていた時の喜び。
アンコールのイントロで大好きな曲だとわかった時の感動。

毎週のようにハシゴしてあちこちの吹奏楽コンサートを聴きに行っていた10代の頃に一瞬で還る感覚。

勝手に動いてしまう体、ソリストの演奏は泣いてしまう。
痛くなるくらいまで精一杯の感謝を込めて叩く手。
ダンスや光の演出、役者さんのような司会者、踊る指揮者。

いろんなホールを、いろんな演奏会を思い出す。

部活後ダッシュして滑り込んでいた、森ノ宮野外音楽堂のたそがれコンサートも。京都の北の北の方や、奈良の南の南の方。
乗ったことない電車、降りたことのない駅、行ったことない地域。
扇子で仰ぎながらだんだん陽が落ちて舞台の明かりがついていく夏も。
マフラーやコートを脱いで狭い席でカバンいっぱいに詰め込んでいた冬も。

季節の移り変わりも、初めて知る単語や感情も、あの頃の演奏会廻りでたくさん自分の中に吸収された。
当時の気持ちを鮮明に思い出すことは難しいけれど、今でも楽団の生の演奏を聴くと、「これが会話だ」と思う。
私が普段言葉を使っているものは、ほとんど会話ではない気さえする。

吹奏楽オリジナルも、クラシックも、ポップスもどれも好きだけど、アンコール曲に来るものが本当に好き。
昨日の演奏は over the rainbow アレンジと、September。
どちらも大好きな曲。
夏に聴きに行った陸上自衛隊定期演奏会のアンコールは情熱大陸だった。
宝島、オーメンズ・オブ・ラブ、コパ・カバーナ、エル・クンバンチェロ、ディスコ・キッド…吹奏楽ではアンコールの定番曲たち。
聴くと、それだけで元気になる。

奏者たちから観客へのありがとうの気持ちが込められていて、終わりではないよ、続いていくんだよ、繋がっているんだよ、と言われているような気持ちになって、私も言いたくなって、元気が湧いてくる。
昔の自分、一緒に演奏していた友人、一緒に聴いていたお客さんたち、いろんな場面で関わった人たち、血縁、いろいろ。

私もアンコールのような存在でありたい。

「宝島」のイメージ

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