宮森みどり

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宮森みどり

イベントと行為。Powered by 宮森みどり+ / Event and Performance. Powered by Midori MIYAMORI +

マガジン

  • エッセイ

    直近のことを綴ったブログ、エッセイ。大切なものを掬い上げた時にはこぼれ落ちてしまうような、生活や気持ちについて書いています。

  • 宮森みどりというプロジェクト、というか生き方

    「宮森みどり」と名乗り始め、暮らしの中で実践してきたことやそれを振り返った記事の一覧です。

最近の記事

イベントと行為、ニンゲンのぜんぶ

昔、銀行のウェブサイトのデザインをしたことがあった。さまざまな人生の節目を「ライフイベント」と名付け、それに合わせてローンを営業するという。 例えば結婚すれば住宅ローンを、子供が生まれれば学費ローンを、といった具合に、ライフイベントごとに提案する内容を変えるらしい。 【イベント発生条件】 ver.2.13以上にアップデートする 集団行動にて、3回以上、上位8割に含まれるスコアを出す 会社に所属する、もしくは年収を1円以上にする イベントを催すと、様々な人が集まる。

    • 世界がそれを愛と呼んだとしても、孤独と自由はいつも

      悲しみで花は咲くものか そんなことを改めて問われなくても、悲しい時にも花が咲いてしまうことを私たちはよく知っている。どんなに悲しくても、どんなに打ちひしがれていても、世界の何処かで花は咲いてきたはずだから。 愛と平和! そんなことを叫ぶのは、愛も平和も足りないからだと私たちは知っている。だって私たちは、究極の愛も、究極の平和も知らないから。まだまだ愛せるし愛されたいんだ。愛とはなんなのかを知らないままに、平和とはなんなのか知らないままに愛らしき感情と平和らしき時代を求め

      • 弾丸余暇遠征、贅沢

        先週、あるメールが私のところに届いた。どうやらたくさんの人が所属しているであろうメーリングリストのお知らせのひとつ。 京都大学で研究をしている、修論でOiBokkeShiという劇団、あるいはプロジェクトの調査をしている人の映像作品のスクリーニングイベントがあるという知らせだった。 その方の研究発表を一度拝聴したことがあり、世代も関心も近い方だと覚えていたため、いい機会だとその日に合わせて京都に行こうかなと思い至っただけ。 新幹線ってすごい。チケットを買えばすぐに関西にも、

        • 劇場を出て生活へ、美術館を出て日常へ?

          以前、「私の活動にとっては"特別じゃなさ、簡易さ"が重要だと考えている」と発言した際、相手から「それなのになぜ現代美術という分野で活動しているの?」と問われた。 そう言った相手は、どうやら現代美術というフィールドをなにか特別なものが創出される場所だと捉えているらしかった。 確かに、何かを創作するのに特別な技術を要さないこととか、何かを発表するのに非日常という意味での特別さがあまりない場所を選ぶこととか、そういう方法と選択が現代アートらしいかと言われたらそうでもないような気も

        イベントと行為、ニンゲンのぜんぶ

        マガジン

        • エッセイ
          10本
        • 宮森みどりというプロジェクト、というか生き方
          9本

        記事

          【現在点からの宣言】活動のステートメント(長すぎ)

          これを書き始めた今から7時間前、約1年ぶりとなる個展が終了しました。来てくださった方、お話してくださった方、そしてなによりプロジェクトに関わり支えてくれた方たちへの感謝で胸がいっぱいです。 ここ一年ほど、自分が取り組んでいる活動が"現代美術"にカテゴライズされうるものなのかどうか、そして自分自身が何故アーティストを志し名乗っているかがわからなくて、悩んで、悩みながらも活動を続け、発信してきました。 私がやってきたこと、そして私がやりたいことってどんな抽象的な言葉で語れるん

          【現在点からの宣言】活動のステートメント(長すぎ)

          宮森みどり、2歳児になります|心からニコニコしてハッピーに生きていく

          一昨年名乗り始めた作家名、「宮森みどり」。そういえば作家業も一昨年から本格的に始まったから、なんだか感慨深い。名前の由来があるわけでもなく、Googleで検索する限り同姓同名がいないという理由だけで、深酒した夜にすべてのSNSアカウントの名前を「宮森みどり」に変更した夜があっただけのこと。それから、4文字の漢字は野暮ったく感じてそうじゃない名前にしただけ。 作家名をつけてから1年くらいは「宮森さん」呼びや「宮森みどりです」という名乗り方に違和感や馴染のなさを覚えていた私も、

          宮森みどり、2歳児になります|心からニコニコしてハッピーに生きていく

          他人を信用したいし、自然にも笑いたい

          物心ついてからこの方、人を信用する必要があるなんて考えてこなかった。というか、自分が他人に不信感を持っていることも知らなかったくらい、人を信じるなんてことを考えてみたこともなかった。 人の心中なんて分からないし、重要な気持ちほどわからないものだと思ってる。これは、私自身が人と関わる時の基本姿勢を投影したものなんだなぁと気がついたのは、ほんとにここ1年くらいだ。 私の自己評価は、「よく笑い、よく喋り、その代わりよく泣いて、よく怒る」みたいな感じ。よく笑うのは、表面的に嫌われ

          他人を信用したいし、自然にも笑いたい

          【雑記】メンヘラ上等!!!(博士後期課程に進学します)

          4月から、晴れて大学院の博士後期課程に進学することになりました。4年間在籍した修士課程で無事に修士号を取れたようで、進学手続きもなんとか済んでいる状態だとのこと。 一昨日卒業式があったようで、たくさんの同期や後輩が卒業証書や卒業式の看板と共に写った写真がインスタに流れてきた。それをみながら私はこれまでのことを思い返していた。 18歳の時に学部に入学し、その後大学院に入学。26歳で修士課程を終えた私の時空はどこかで捻れたのか拗れたのかをして、この間のどこかで3年間ほどサラリ

          【雑記】メンヘラ上等!!!(博士後期課程に進学します)

          再び自らの足で歩くために(2022.01.12)

          学校ではいじめられ、休み時間のできるだけ全てを、トイレの個室や担任の準備室で過ごした。家では受験が順調なフリをして暖かい家族と過ごした。 それらはその頃の私の居場所の全てだった。 だから、担任や両親に嫌われたり疎まれたりするようなことだけは、絶対にあってはならないことだった。 「何を考えているかわからなくて気持ち悪い」 「お前がいると邪魔」 「いじめても気がつかないからもっとやってもいいんじゃない?」 「ブス、きもい」 「宮◯にはその仕事まだ早いんじゃないですか?」

          再び自らの足で歩くために(2022.01.12)

          若さ、あるいは幼さと折り合いの悪さ

          18歳〜21歳の間バイトしていた蕎麦屋が、今月末に閉業してしまう事を知った。 平日の間に2日と、そして土曜日に通い、働いた店。まだ何者でもなかった、だけど何者かになりたかった私が日銭を稼ぐために過ごしていた場所。バイトを辞めた後も、そこに行くといつでも、あの頃に戻れるような気がしていた。 決して安いお店ではないから、バイトを辞めたあとしばらくは1人で行くことが難しかった。だけどちゃんと働いていれば顔を出せるような、そんな距離感の場所だった。 たまに訪れては世間話や身の上話

          若さ、あるいは幼さと折り合いの悪さ

          奇妙奇天烈展覧会、「卒展」。

          卒業・修了展が終わった。死ぬほど忙しくて、死ぬほど大変で、死ぬほど心が揺れる展示。 私の展示場所には一週間で1万人を超える来場者数で、展示動線は行列みたいになっていた。休日のディズニーランドのほうがまだ歩きやすい。 とにかくLINEとDiscordが鳴り止まない。カタログがない、マップがない、ヒーターがない、受付のシフトが来ない、〇〇さんがいない、どれそれがわからない、などなど。 それに加え、知人から「今ついた!」「〇〇時ごろ行くよ」という連絡が相次ぐ。今会いたい人、今

          ¥500

          奇妙奇天烈展覧会、「卒展」。

          ¥500

          卒修展の運営と設営

          明後日から始まる大学の卒業・修了作品展にむけ、月曜日から搬入が始まった。 実は、私は学科の代表を務めている関係もあり、年度始まりから運営の全体を管理し、準備を進めてきた。 コロナが明けたことも相まって、今年修了する人はすごく多い。だけど展示会場はいつもと同じサイズだから、なかなかどうして窮屈な配置となっていた。 大学院生だということもあり、みな学部のときと比べれば幾分か大人である。だからトラブルは早々ないと思っていた。 ところがそれは、私にとっては極めて難しい形で私の

          卒修展の運営と設営

          正しくて、健全で、いい関係

          2023年3月 大好きだった人を彼氏と呼ぶのをやめたいと思った。強く強く思った。私のせいで彼の元気がなくなっていくのをもう見たくなかった。彼が変わっていってしまうのが嫌だった。 だけど彼のことが大好きだった。ほんとにほんとに大好きだった。なんとなく、漠然と、能天気に、私達は「恋人」なんて大袈裟な名前がなくてもずっと一緒に居れると思った。 京都からの帰り道の新幹線、彼に連絡をした。その足で会いに行って、いっぱい泣きながら話をした。彼氏じゃなくなってもあなたのことが大好きだ

          正しくて、健全で、いい関係

          広島、ホストクラブ、友人。

          土曜日の夜11時、乗っていたバスが広島市八丁堀の駅に停車した。 向かう先は既に決まっていて、バスが広島駅北口駅を発った後は、専らその店の料金システムやSNSをチェックしていた。 私が向かったのは、実に8年ぶりに会う友人が働いている流川のホストクラブだ。 中学生の頃にインターネットで知り合い、10代の頃はよく遊んでもらっていたその人に会いにいった。 その友人は私よりも少しだけ年上で、よく会っていたころは(一方的に)兄のように慕っていた記憶がある。通っている学校に居場所がなく

          広島、ホストクラブ、友人。

          「いなせ」に生きる。

          「どうせ燃やされるんだから今燃えよう」とその人が言う。私は今日、その人と衝撃的な出会い方をした。今日この人と出会ったのは、なんの示し合わせもなく、たまたま行きつけのバーでのことである。 昨日今日とワークショップ公演があった私は、打ち上げを終えて最寄駅に戻り、へべれけでよく通っているバーに向かった。昨日は三連休の初日のせいかお客さんにあふれ一杯だけビールを飲むに留めた店に訪れると、なか日(日曜日)の今日はやや空いていた。入店してすぐ店奥の客が会計を済まし客が私だけになり店のバ

          「いなせ」に生きる。

          教えることで教わる

          河合塾美術研究所(美術予備校)に7年ぶりに足を踏み入れた。河合塾美術研究所は、私が大学受験生の頃通っていた予備校で、卒業以降足を踏み入れたことはなかったが、講評の依頼を受け伺った。 予備校で働く友人から外部講評の誘いを受け、恐れ多いと思いつつもいい機会だと思って仕事を受けることにした。 かつて受験生だった頃、とても苦しかったのを覚えている。面倒見よく指導してくれる講師陣を信頼しつつも、講評にはいつも怯えていたような記憶がある。そして、私自身にとっては黒歴史の宝庫でもある。

          教えることで教わる