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「みんなで始めるデザイン批評 目的達成のためのコラボレーション&コミュニケーション改善ガイド」を読みました

私がこの本を読んだ目的

  • 自分はレビューしていただく立場になることが多いが、いつもレビューしていただいてから準備不足だと後悔するため

  • 逆にレビューする立場になったとき、相手を傷つけずに自分の意見を言うにはどうしたらいいんだろうと思ったため。

  • ゴルフメドレーでデザインシステムを作ろうと思い立ったものの、エンジニアリングやデザインが専門じゃない人からも適切にレビューしてもらうにはどうしたらいいんだろうと思ったため。

この本の目的

批評を分析・定義し、与える側と受ける側、それぞれの観点から見た批評の良いやり方や悪いやり方、そして難しい側面について検討していく。

批評をサポートする、または妨げとなる文化の要素についても検討し、さらに批評をプロセスの一部に組み込む方法のヒントや見解について説明する。

第1章 批評を理解する

フィードバックには、「反応」「指示」「批評」の3タイプある。
「反応型」「指示型」は良くないフィードバックで、我々は「批評」のフィードバックをしていくべき。

批評のフィードバックは、クリティカルシンキング(批判的思考)になっているべき。 クリティカルシンキングとは、物事の本質を捉え判断することにより、あるべき方向に導く思考法のこと。

第2章 批評とはどのようなものか

私たちは誰かのデザインをよくするために力になりたいと心から思っているだろうか?

批評は、新しいアイデアを探すための場ではない。
批評の目的はそれまでに作られたデザインを分析することにある。

デザインの目的は何か?

目的に関連しているのはデザインのどの要素か?

そうした要素は目的を達成するのに効果的か?

それはなぜか?

基本的な批評の枠組みを構成する4つの質問

第3章 文化と批評

批評をできる限り完全なものにするためには、デザインに関して建設的な会話をする文化を構築するべく努力しなければならない。

強固な基盤を構築するための一般的なツールは次の4つだ。
ペルソナ、シナリオ、目標、そして原則。

製品の目的とは、
- 所定のオーディエンスのために(ペルソナ)
- 適切な状況で使用したときに望ましい経験を生み出すべく(シナリオ)
- 正しい挙動と特徴を持ったデザインを作る(原則)
目標を達成することである。

他にも、個人の経験や背景、社内政治などによって建設的な批評ができなくなることがあるので、普段から仕事以外の雑談などもして関係を構築しておく。

第4章 批評をプロセスの一部にする

4章では、いつ批評をプロセス組み込むか?また、それに伴って起きる問題について検討する。


批評は、制作物を批評するためだけのミーティング、メンバーの意見をまとめて取捨選択するためのミーティング、デザインに関して承認を得るために行うミーティングの3種類ある。

いずれのミーティングも、スタートは少人数がおすすめ。また、優れたフィードバックを与えるために人の話はよく"聴く"こと。参加してもらう人は選ぶこと。

第5章 批評のファシリテーション

第5章では、批評の準備、スタート、進行、その後のフォローアップの仕方も考える。

批評の基本的なルールは以下4つ

  • 誰もが平等

  • 全員参加

  • 問題解決を避ける

  • 決定を急がない

特に、「問題解決を避ける」が難しい。問題解決に意識が向いてしまうと、人の意見を知るためにデザインの要素を分析するのではなく、デザインに見られる特定の問題を解決することに焦点が移るので、批評の目的が達成されない。
木をみて森をみずの状態になってしまうので、「目的を達成しているか?」という視点で上がってきたデザインを批評する必要がある。

ファシリテーションの前に

  • デザインの目的を説明する

  • プレゼンは手短に

  • 制約がある場合は、言い訳がましくならないように質問を通じて答えるべし

第6章 扱いにくい人々、やっかいな状況

人と一緒に仕事をするとき、コミュニケーションのまちがいや衝突、不満はつきもの。問題の原因を知り、その対処法と忍耐力を身につけ、たとえ個人攻撃を受けているような気がしても、プロジェクトとその目的に集中し続けようという決意を持たなければならない。

第7章 サマリー 批評は素晴らしい協働の中核をなす

  • 本書のまとめ

まとめ

ちょっと横文字が理解できなかったり、日本と文化が違ってエピソードがよくわからない箇所もいくつかあったんですが、ものすごくいい本でした👏

レビューのときに大切なのは「批評」であり「目的を見失わないこと」なんですね。仕事でUIを考えることも多いので、ぜひこの考え方は取り入れていきたいと思いました。

この本を読んで、以下のようなことを学べました。

  • デザインレビューは「批評」であるべき

  • 批評とは何か

  • 建設的な批評ができる組織、文化とはどのようなものか

  • 批評を組み込むタイミング

  • 批評をするときの心構え

  • レビューをしていただくときの準備、ファシリテーションの方法

  • レビューをしていただいて「ムッ」としたときの心構え

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