「カルト」はすぐ隣に読書感想文

オウム真理教の信者になり、様々な事件の実行犯となり、死刑囚となった人々の話。どのように信者になっていったのか、何故犯行に及んでしまったのか、その時の状況や心理が書かれています。そしてこれは他人事ではない、ということ。

初期のオウムは宗教というよりヨガ教室だった。悩みを抱えた10代、20代という若い世代に優しく寄り添うようなところだった。
ノストラダムスの大予言、日本沈没とか「終末論」が流行っていた。そこでオウムで修行をしたものが救済され、さらに他の人々も救えるようになると謳っていた。

自分の生きる意味とは何なのかとか考えたり、普段から周りに理解されていない疎外感とか感じていたり、「終末論」に不安を抱いていた人とかが入信するようだった。この時代はノストラダムスだったけど、今はコロナなのかなと思った。生きる意味とか、疎外感はどの時代でもあるやつだよなぁと。ある人は。
悩み、不安が強い時は本当に注意が必要だと思った。自分は大丈夫だと思ってる人ほど危ないとも思った。

何故犯行に及んだのか。マインドコントロールされていたから。
読んでいて、当時オウム絡みの単語(マインドコントロールもそうだけど、ポアとか)ふざけて使ってた記憶があって懐かしいなと思った…

マインドコントロールのやり方も、読んでたら有り得ないだろと思うけど、当事者だとなかなか逃れるのは難しいのかなと思った。
入り口はヨガとか、健康的なイメージで信用させて、次第に出家という財産を全て奉納させて施設に入れてしまう、家族や友人からの隔離。犯罪に手を染めるのに、そのハードルを徐々に下げていくやり方…
そもそも、施設に入る段階でおかしいって気づきそうだけどと思ったが、やはり当事者も入りたくなかったり、親に反対されたりしていた。それでも押し切られて入ってしまっているので、手強いんだなと。
世界を救いたいとか、そういう優しさ、真面目さを持つ人が積極的に入信しているようだった。

麻原がそれなりに狡猾だったのかなとも思う。途中までは、口が上手いんだな…と思ったけど、殺人を指示するようになるあたりからだんだん胡散臭さが隠しきれてないように思ったが、マインドコントロール下にある人は疑わない。多少違和感を感じた人もいたようだが、自分ではなく、麻原が正しいとした。
サリン製造に関わっていた人も何を作っているのか知らなかったが、薄々気づいている人もいた。それでもやめなかったのは、自分で考える力がなくなっていたから。何の疑問も持たず、言われたことだけやっていればいいという思考。
マインドコントロール関係なく、こういう人ってそこらへんに居そうだなと思った。

それと、断れない人ってやっぱり危ないんじゃないかと思った。断ることに罪悪感を覚える人。こういう人はやっぱり取り込まれやすそう。その罪悪感につけこめるから。

あと盲信する人はまぁ…そうなるだろうなと。占いとか陰謀論とか大好きって人とか。

…自己紹介みたいになってきてますが大丈夫ですか。

本にも書いてあったけど、自分の感覚を信じることも大事だと思った。少しの違和感もよく観察してみて欲しいなと。今自分に言い聞かせています。

あと思ったのは、なんで悩んだり困ったりしたとき、この本の人たちは新興宗教行っちゃうんだろうなと。仏教、キリスト教でもいいはずなのに。新興宗教の方がそれだけ私たちとの距離が近いのだろうか?オウムは確かにメディアでも取り上げられてたり本が出てたりしてたようだから、親しみやすかったのはそうか。他の新興宗教は何故なのか。近親者が信者だったから、とか?最近エホバの事取り上げられてたようだけど、あれとか本当に何でなのか。元病院勤務だったので、エホバとは無縁ではなかった。輸血拒否の書類、めんどくさいなーじゃあなんで病院来たんだよ?とか思ってた。

盲信してたらもう周りも説得出来ない…本に載ってた人々も家族は説得できなかったようだし。家族で入信してたり、引き留めようとした友人が入信しちゃったりしてたな。

カルトから身を守るには!

1.お金の話が出たら要注意
2.話が最初と違っていたり、何らかの嘘が含まれている場合も注意
3.「これは誰にも言っちゃいけない」などと秘密を守らせようとしている場合も注意

金、嘘、秘密。怪しい。はい。

ダライ・ラマ法王より
「studyとlearnの違い」
study…「研究する」という意味もある。疑問を持ち、課題を見つけ、多角的に検証すること
learn…単語や表現を教わり、繰り返し練習して記憶する語学学習のように、知識を習い覚えて身につける

「studyを許さず、learnばかりをさせるところは、気をつけなさい」


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