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中国富裕層はどんな人達?

マーケティングの世界において、大きな関心を持って語られるターゲットがある。それが「富裕層」である。言わずもがなだが、富裕層というのは非常に大きな経済力や消費力を持っているため、モノやサービスを売りたいと考えている企業にとっては是が非でもつかまえたい人たちである。当然、中国にも富裕層は存在しており、人口が大きい分、富裕層の数も桁外れである。では、中国の富裕層とはどういった人たちなのだろうか?

中国の富裕層分類

大きな関心が寄せられる中国の富裕層だが、中国に決まった定義がないため、中国のメディアでも様々な数字が語られており、発表されている数字やデータは参考程度ということになるが、それでも中国の桁外れな富裕層の実態をある程度みることができる。

例えば、こちらのメディア(https://www.yunliebian.com/yingxiao/article-40961-1.html)で紹介されている基準によると、

※1元=約20円

  • 1.富豪層:
    全人口の約1%(約1,400万人)を占める、自身が事業と立ち上げてというようなレベルでは到達不可能な領域であり、多くが巨大な遺産を相続したパターンが多い。

・顶级富豪层(トップクラス富豪層):預金額10億元以上。
・超级富豪层(スーパークラス富豪層):預金額1億~10億元。
・普通富豪层(普通富豪層):預金額4,000万~9,999万元。

2.富裕層:
全人口の約5%(約7,000万人)企業やマーケッターがいわゆる『富裕層』とイメージするのがこのレベル。一般庶民が自分の努力で到達することができる最高峰といえる。

・有钱人层(お金持ち層):預金額901~4,000万元(約1.8億円~8億円)。
・中产层(中産層):預金額500~900万元(約1億円~1.8億円)。
・小产层(小産層):預金額201~500万元(約4,000万円~1億円)。

メディアの内容によると更に下の層も存在するが、いわゆる「富裕層」と呼ばれるのはこれらの人々ということになる。記事にもあるように現実離れした資産を持つ富豪層を除けば、企業やマーケッターがイメージする富裕層は、中国の全人口の約5%、7,000万人がそれに相当する。ちなみに、野村総研が発表している、日本の富裕層の定義によると、日本における富裕層(純金融資産5億円以上)は132万世帯程度であり、人口と世帯数という違いはあるものの、中国の富裕層の規模の大きさがわかる。
富裕層の中にも、レベルの差はあるが、これら富裕層は概ね、事業経営者、大手企業幹部、医師、弁護士等の士業といった社会的な地位が高いとみられる立場、職業に就いている。

消費者としての富裕層ジュニア

富裕層は当然ながら巨大な消費能力を持っているが、中国の特徴として、その子弟も同様に有力の消費層であるという点が挙げられる。富裕層ジュニアたちは一人っ子が多く、親世代から受け継いだ巨大な資産を自由に使うことができる立場にあり、現在の中国における派手な消費の主役となっている。こうしたジュニアたちも、親の富裕層となった背景によっていくつかに分類される。

・紅二代:いわゆる政治家、官僚の子弟。現在では子から更に孫世代も含まれる。ただ、昨今の腐敗撲滅政策により一時ほどの勢いはない。

・富二代:経営者、事業家等の子弟。現在の富裕層消費の中心。高級車、高級レストラン、高級ホテル、ブランド品は彼彼女たちの必需品。

・房二代:中国特有の富裕層ジュニア、親が購入あるいは所有している不動産の価値が高騰したことによりキャピタルゲインを得たために富裕層の仲間入りを果たしたため、自由に使うことができるお金が生まれた。

富裕層が裕福であることは確かだが、より積極的にお金を使っているのは、実はこの富裕層ジュニアたちであり、企業、マーケッターとしてはこれらジュニアたちをどのようにつかまえるかが、より重要になる。

約3年に渡るコロナ流行やゼロコロナ政策によって中国の市況は悪化していると言われているが、富裕層や富裕層ジュニアの消費意欲は依然衰えていないと言われており、庶民の財布の紐が固くなっている今、彼らの消費動向は一層注目する必要があるだろう。

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