無題

ユニヴァーサル野球協会

(初出:旧ブログ2015/11/29)

 野球小説というより野球ゲーム小説。それも古き良きサイコロで結果が決まるアナログの野球ゲームだ。会計士のヘンリーがこれに尋常じゃないハマり方をしていく。ヘンリーがゲームそのものを作り、架空のチームと架空の選手一人一人の設定を練りこんで創造主として空想の野球小宇宙を見守る。

さすがにヘンリーのように一人一人架空の選手を作る度胸は無かったようだが実在の現役やOB選手でチームを組み、試合も『ベストプレープロ野球』というPCゲームで進行させる、更にはシーズンが終わるとヘンリーのようにデータをまとめサイコロでドラフト・移籍・監督人事・トレード等が決まる架空のリーグを創造した男をミヤまるは男を知ってい……いや、正直に言うとワシのことです。この小説に憧れちょっとやってました。全ての球団を1人で管理するのに疲れたので3シーズンで止めたけど自分の好きな時に好きなだけ自分が創設に「尽力」したリーグの試合を見れるはとても楽しかった。

 対象が幸か不幸か女性じゃないだけである種のフェティシズムすら匂わせるちょっとアブナイ野球小説。ヘンリーは「記録フェチ」なのだろう。作中では競馬のゲームなど過去にはほかのゲームに挑戦しようとしてたらしい描写もあるし。そして野球に行き着いたのも前回触れた野球の数字・記録の多さだと思う。


#野球 #小説 #外国文学

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