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野球と「復刻ユニフォーム企画」の相性を考えてみる

 横浜DeNAが『GET THE FLAG!SERIES 2023』と題し、埼玉西武との3連戦で98年日本一のユニフォームを着用していた。


 このモデルは西武ファンの私にも印象深いものだった。

 横浜が日本一になった98年の日本シリーズは西武とだったのはもちろんのこと、佐々木主浩、谷繁元信らスター選手も多く、個人的には権藤博監督も私と同じ誕生日(12月2日)ということで、好きなチームだった。
 デザインの面でもストライプに青と黒だけのシンプルさが大好きだった。

 思い出話はいくらでも出来ちゃうのでこれくらいにして、今日は「復刻ユニフォーム」の話を。ここ15年ほど、近年では東京時代の歴史をあまり触れてこなかった日本ハムも含め、各球団復刻ユニフォームを着用するイベントを行っている。試合によっては両軍とも復刻ユニフォームがでプレーする試合もある。

 前述のDeNA-西武戦では、試合前に両軍98年当時のユニフォームを着用した監督同士の一打席対決も。



 こうした「復刻ユニ企画」を見て、常々感じていたのは、もしかして野球ってめちゃくちゃ「復刻ユニフォーム」と相性いいんじゃね? ということである。
 今回はそう思った理由を少し深堀りしてみた。



野球はあんまり変わらない

 あらゆるジャンルの「復刻企画」の宿命というか、「今見るとなんだか違って見えてしまう」という意見が出ることは少なくない。服装を当時を再現したとしても、その周りの環境が変化しているのだから、ある意味では当然である。

 しかし野球はベーブ・ルースの時代から、細かい変化こそあれど、基本的には大きくは変わってはいない。せいぜいドーム球場が出来たくらいで、ユニフォームを着る環境に大きな変化はない。キャップにシャツとパンツとスパイクを着こんだら、あとは野球場で野球をするだけである。

 スタジアムに関しては90年代以降、多目的アリーナ型から「新古典主義」と呼ばれるレトロなボールパーク型モデルが流行を見せているくらいだ。野球という限られた環境で着るユニフォームは、あまり時代に流されない。


既に「野球のユニフォーム」の大枠が出来上がっている

思い出話がしやすい

 これも先ほどの理由と近いのだが、こうした「復刻企画」だと、「企画として想定していた時代には、もうこのファッションはしていなかったのでは」という意見が出ることもある。ファッションの流行など、形の無いあいまいな物であるし、それぞれの主観が入ってしまう以上、こうした意見がでるのも自然な流れである。

 しかし野球のユニフォームはそうではない。「〇〇年から〇〇年のシーズンまで着用」というのが明確にわかる服装なのである。例えば今回の横浜のユニフォームを例に挙げれば、「93年~08年まで着用。帽子のBマークは96年にマイナーチェンジし、今回の着用は96年以降のもの」というのが、素人の私が数分調べただけでわかるくらいだ。


前期ver.(の復刻版)。星の配置が異なる


 明確に「いつからいつまで着ていた(流行っていた)」というのが、ここまではっきりわかる服装というのも少ないように思うし、そうなると自分の年齢や好成績を収めた年から逆算して、思い出話がしやすい。野球のユニフォームには流行の“客観的基準”が存在する珍しい服装である。


試合数も多い

 これは「復刻ユニ企画」に限らず、「企画ユニ試合」全てにかかる話だが、野球は試合数が多い。レギュラーシーズンだけでも70試合以上ホームゲームで開催する。となると、単純に企画に割くことのできる試合数も比例して多くなる(もっとも、最近「企画ユニ試合」を乱発しすぎな気もするが……)。

 試合数が多い=着用する選手も増えるという見方も出来る。いつもとは違うユニフォームでのプレーでする選手を見ることで、ファンとしても新たな発見も多いはずだ。
 ストッキングの露出やアンダーシャツの着こなし、グラブやバットの色など、野球のユニフォームはスポーツのユニフォームのなかでも、もともと選手個人の特色が出やすい。そんな野球のユニフォームを変えるのだから、また違ったキャラクターが見えてくる。


 というわけで、スポーツである以上、おしゃれより大事なことはあるにせよ、やはりいつもと異なるユニフォームでの試合というのも、大きな意味があるように感じる。特に先人たちが歴史を築いた野球ならなおさらである。やっぱり野球ってめちゃくちゃ「復刻ユニフォーム企画」と相性良いんじゃね?


おまけ 

独断で選んだ「復刻ユニフォームが似合うな~」という選手です

戸柱恭孝。渋カッコイイ着こなし
木佐貫洋。あんまり「復刻」って感じしないくらいだ
小谷野栄一。もう藤井寺からタイムスリップしたレベル

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