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素晴らしいアメリカ野球
(初出:旧ブログ2015/11/23)
高橋源一郎『優雅で感傷的な日本野球』のあとがきではこの作品をヒントに書かれたとされ、赤瀬川隼『球は転々宇宙間』の解説にも出てくる。玉木正之『プロ野球大事典』には<プロ野球関係者のなかには、誰ひとり読破したひとがいない、すばらしい野球小説>とのこと。そう言われるとますます読みたくなってくる。そんな感じで今年の夏に読んだ。
結論から言うと手強い小説だった。その分読み応えもあったけど。歴史の闇に葬られたアメリカ第3のリーグ、愛国リーグとそこに属した放浪の球団、ルパート・マンディーズの物語。他の書評を読む限り野球を含めた様々なアメリカ文化・文学への壮大なパロディだったみたいだけどあまり分からず。小数点の背番号がつけられた小人選手、ブラックソックス事件っぽいくだりは少し分かったのもあったが。バド・パルシャという隻腕の選手にもモデルがいたことも読んだ後で知った。
とにかく言葉を並べてどんどん本筋から脱線していく文体が、不確かな"歴史の闇に葬り去られたリーグの伝説"という胡散臭い感じを醸し出してる。「小さくとも𠀋夫(ますらお)」という(↑の小人選手が活躍する)章を読んで以来、J.アルトゥーベを見る度にこの小説を思い出す。
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