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DEI(ダイバーシティ&エクイティ&インクルージョン)がコインチェックらしくあるために

はじめに

こんにちは、コインチェック株式会社ウェルビーイング室ウェルビーイングセンターの奥野です。

コインチェック株式会社は、この度、DEIポリシー(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン、以下DEIと記載)を策定しました。

DEIポリシー

コインチェックは「新しい価値交換を、もっと身近に」をミッションに、社会に対してイノベーティブな価値を提供することに挑戦しています。
社会への新しい価値提供を促進するためには、多様なバックグラウンドや個性を持つメンバーを迎え入れ、異なる強みと多角的なものの見方を確保しながら、プロダクトを創造することが重要です。

一方で、多様なバックグラウンドや個性を持つメンバーが協働し、チームとしてのパフォーマンスを最大化するためには、様々な組織的なサポートを必要とします。

例えば、年齢、ジェンダー、国籍を問わない多様な人材の活躍の支援、様々な働き方やキャリアパスの提供、あらゆる性的志向を持つ方や障害を持つ方に対する理解促進など、各人の多様なバックグランドや個性を尊重しつつ、パフォーマンスの向上につなげていくために実践できることは数多くあります。

コインチェックは、DEIポリシー(D=Diversity、E=Equity、I=Inclusion)を掲げ、上記の様な取り組みの実践を通じて、Diversity=「個性の価値の受容」、Equity=「同じ志を持つ相互信頼による安心感」、Inclusion=「個性を活かし合う機会提供」を担保することで多様なバックグラウンドや個性を持つ人材のモチベーションを高め、持続的成長を可能にするカルチャーを醸成し、ミッションの実現に繋げてまいります。

このポリシーにどんな思いがこめられているのか、コインチェックにとってなぜ必要なのかについて、今日はお話したいと思います。

背景

コインチェックでは、この12月1日に、「ウェルビーイング室」を新設しました。設立の目的として、DEI推進を主軸の一つとしています。
つまり、会社として、DEI課題へのコミットを明確に明示したことになります。

それでは、これまでのコインチェックは、どのようにDEIと向き合ってきたのでしょうか。

コインチェックにおけるDEIの片鱗が顔を見せたのは、2019年。
きっかけは、一人の男性エンジニアの育児休職取得でした。
会社として育児休職の取得を促進する活動は特に行っていなかったものの、カルチャーとして展開され、根付き、実に、2021年度における男性の育児休業取得率は50%以上になっています。女性は100%取得しています。

2021年度からは、様々な制度の充実がはかられてきました。

・看護介護休暇の有給化
・女性特有の体調不良や疾患に対する通院・不妊治療にかかる通院や体調不良の際に利用できる「ケア休暇」の新設
・育児・介護・疾病と仕事の両立をはかる短時間正社員制度の整備
・定年年齢の延長
・コロナ禍を経て、在宅勤務と出社を選択できる「えらべルール」の制定

これらは一見、コインチェックでDEI推進が進み、実践できているようにも見えます。
実際に、第三者機関からの評価も受けました。

しかし、私たちは、DEIの実現に対しては、こういった数値をあげることや、施策の導入だけでは叶えられないと思っています。
そのため、コインチェックは何を大切にし、何を目指すためにDEI推進へ取り組むのかについての前提となる考え方を定義するために、今回ポリシーの策定に至りました。

ポリシーへの想い

コインチェックはミッションとして「新しい価値交換を、もっと身近に」を掲げています。このミッションを達成するために、DEIポリシーでは、DEIを以下のように定義しました。

Diversity=「個性の価値の受容」
Equity=「同じ志を持つ相互信頼による安心感」
Inclusion=「個性を活かし合う機会提供」

これらを担保することにより、多様なバックグラウンドや個性を持つ人材のモチベーションを高め、企業価値向上と持続的成長を可能にするカルチャーを醸成し、プロダクトの創造にコミットすることを決めました。

DEI推進にあたっては、コインチェックもまだ多くの課題を持っています。単純に言えば、まだまだ組織が男性社会である点があげられます。従業員における女性比率はおよそ20%程度であり、特にエンジニア領域に関しては、女性エンジニアはまだ数名しかいません。マーケティング領域についても、広報分野を除けば、男性従業員で構成されています。また、コインチェックでは、部室長・役員のレイヤーにまだ女性が存在しません。
このことが何を指すかといえば、プロダクトやサービスが男性目線で作られがちであること、組織課題が男性主体で語られがちであることです。多様なユーザーにコインチェックのサービスを利用してもらうには、多角的なプロダクト・サービス展開や、そのための多様な視点を持った組織開発が必要だといえます。

こういった課題に対して、コインチェックでは、あえて「女性従業員割合を◯%に引き上げる」「障害者雇用率を◯%を達成する」「外国籍従業員比率を◯%にする」など、単なる数値目標の改善や施策の導入だけをゴールとは捉えていません。これらを達成することはスタート地点であり、DEIの実現された世界とは本質的には自分らしさを長所として発揮でき、誰もが組織に対してポジティブに向き合えていることだと感じているからです。誰一人として取り残さない、これはSDGsの文脈で語られますが、同じくDEIの観点でも重要な視点だと捉えています。

革新的なプロダクトを世に送り出すためには、尖った個性も専門領域への没頭も必要とします。これらは、時には組織が柔軟であることや、包括性のある組織であることを薄めてしまう要因ともなりかねません。自分らしさを組織が約束することは、一方で偏りを生んでしまうことにもつながるのです。そういった脆弱性があることを組織は十分に認知し、従業員へバランスよくフィードバックしていくことで、持続的に企業が成長するために必要な調和性についても理解を促進していく必要があります。

だからこそ、最初にあげた3つのDEI定義は、従業員それぞれの個性の価値を認め合い、ミッションに向けて同じ方向を向くことで、一人ひとりが能力を発揮しながらプロダクトの創造にコミットし、社会に対して新しい価値を提供するというミッションを達成することを目指して定めました。

これからのコインチェック

コインチェックでは、まだ社員が30名程度のベンチャー企業要素の強かった時代、それこそDEIの概念はありませんでした。しかし、従業員は自分たちの専門の業務だけに縛られず、できる仕事にはおのずと手を挙げ、自身のバリューを会社全体へ発揮していました。これは、200名を超える組織となった今でも、DEIの推進においてはコアとなるマインドセットであると考えます。なぜならば、従業員自体の価値提供も、組織内において多様であり多角的であることが個性の尊重につながる土台であるからです。

DEIにまつわる多種多様な課題に対して、コインチェックはこのカルチャーを尊重し、組織が拡大してもマインドを引き継いでいく必要があります。
コインチェックらしいDEIの推進とは、多様なバックグラウンドや個性を持つ人材が自分らしさを実現しながら組織やプロダクトの成長に関わることができる組織の実現です。

従業員自身がこの成長への寄与を感じることで自己実現が図られる組織づくりが、よりよいサービスやプロダクトの創造につながり、結果として社会に対しても貢献できる企業を目指すことができます。

そのために、コインチェックではこのポリシーの実現のために、前提として、画一的にならない採用活動、従業員の様々な働き方の支援、様々な価値観への理解促進、高い倫理観を評価の指標とする体制は継続していきます。
その上で、オープンでフラットなカルチャーのもと、新しい価値提供を社会に行っていくために、自分らしさを決してわがままではなく、強みとして発揮できる組織づくりを進めていきます。

おわりに

コインチェックは、一般的に言われるDEI推進という意味では、まだまだ進んでいないことが多くあります。しかしながら、多くの従業員は多様な意見に耳を傾けることができ、役職や年齢、ジェンダーにとらわれない積極的な意見の発言も実践されており、DEIという考え方が育つ土壌はあると感じています。

私たちを取り巻く環境は変化が激しく、当たり前の世界も、約束された世界もまだありません。だからこそ、「違い」を前提とするDEIは私たちを根本から支える非常に重要な役割も担っています。

企業として強く存在していくためには、その土壌を育て、コインチェックらしいDEIを実現しながら人材が活躍できることが重要です。
今回のDEIポリシーは、そんなコインチェックらしいDEI推進へのコミットを約束するものです。

「新しい価値交換を、もっと身近に」をミッションとして掲げるコインチェックは、DEI推進にあたっても、新しい人材価値への尊重を実現していきたいと思っています。


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