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3連勝への道は遠く*2021 J2第5節 ジュビロ磐田×レノファ山口FC

3連勝は遠く

3連勝がかかったレノファ山口FC戦。これまで1勝もしていなかったレノファに、前半13分、20分と、立て続けに、きれーいにゴールを決められてしまう。これで0-2。大森がチャンスを作り、ルキアンが走り、攻める。42分、ルキアンのゴールで1点を返したが1-2で前半終了。

1点差を勢いとし、動き方を変えてレノファを翻弄したいところだが、後半になってもメンバーはそのまま。次第に停滞し、選手たちのプレーはスピードを欠き、散漫になっていく。71分、パフォーマンスの落ちていた遠藤、鈴木勇斗を下げ、大津、大井を投入。76分に、それまでいいパフォーマンスを見せていた大森を小川航基に替えた。スピードアップし、コーキにつなごうとする意図は感じられたが、レノファに守り切られて1-2のまま試合終了。

ルキアンがとてもいいパフォーマンスだった。一度はレッドカードが提示されたプレーもあったが(その後、イエローが提示された)、そのプレーより前、GKからボールを奪った後に倒された場面はPKだったのでは? 認められてはいないことだけれど帳尻合わせ? 主審がイエローを出し間違えた?

それにしても失点が多い。自信をなくしてしまっているように見えるGKの八田を使い続ける意図は? 前節とは打って変わって集中力のない鈴木雄斗。山本ノリのリスキーな動きも気になる。遠藤のチャンスメイクがほとんど見られないことも。フベロ監督期には集中力を見せたイトー・ヒロキンソン(伊藤洋輝)のプレーが雑になっていることも。これは昌也もだ。大幅に選手を入れ替えてほしいところ。得点にはならなかったが、航基の動きは悪くない。いまのジュビロに必要なことは、守備のラインを安定させることだけれど、そのためには、先制し、得点を重ねて調子に乗っていくことだと思うので、ツートップも見てみたい。ルキアンはワントップのタイプではないと思うんだけどな。戦術など一切考慮しない、一個人の印象ですが。

3連勝への道は遠い。今週は、NHK-BS1『Jリーグタイム』がJ2特集だったのに、もう何年もNHKでいいところを見せられないのが続いてる。「監督のことばの力」をフィーチャーした、平ちゃんのコーナーが刺さった。名波さんのことばの力は強大だった。中山雅史コーチにそういう役割を期待していたんだけど、それは難しいことなのだろうか。

・2021年3月28日 第5節終了時の成績
 11位 勝点6 2勝0分3敗 得9 失11 得失点-2
・私が選んだ最優秀選手 ルキアン 

疑問符を持っているのはこちらも同じ

この敗退を受けて、サポーターの間で鈴木政一監督の辞任を求める声が高まってきている。

Twitterでは、「何を今さら」「監督になったときから分かってた」「監督が変わってもクラブの方針が変わらないのなら同じ」という冷笑的な声もあったけれど、それは一部のサポーターの先鋭的な捉え方だと思う。流行は常に遅れてやってくるといわれるように、サポーターの声が本当の意味で大きくなるにはそれなりの時間がかかる。いま、監督の辞任を望む声は、少し前まで支持していた人たちも含めた大きなものになってきているのではないだろうか。

わたしの考えを書くなら、鈴木政一監督にはすぐにでも辞任してほしい。選手をどううまく使うのかに腐心するのが監督であるはずなのに、《「勝つ」ことと「ジュビロらしい自由で攻撃的なサッカーをすること」が絶対目標。すべては「選手」に任せられているので、そこに到達しない場合も「監督」は関知しない》とでもいうような謎図式になってしまっている。サポーターに対するメッセージもない。これでは、不信が大きくなるばかり。今がそのタイミングだと思う。

レノファ戦での監督のコメントはこうだった(ジュビロ磐田公式サイトから)。

鈴木政一監督の試合後の総括コメント(抜粋1)
立ち上がりのところで、トレーニングでサイドからのクロスに対しての対応、マーキングなど色々とやっていた中で、どうしてもゲームでああいうプレーが出てしまうと、もちろんトレーニングからゲームに近い状態のものを取り入れているつもりですが、どうなのかなと。ちょっと今疑問符を持っているところです。

練習しているはずなのに、おかしい。疑問に感じていると?

そりゃ、公式の場で言えないことだってたくさんあるだろう。言葉で説明することが苦手なのかもしれない。でも、「疑問符を持っているところです」はない。

その「疑問」が向けられているのが、「選手」だけってことはないよね? その練習内容が適切ではないかもしれないとか、いまの戦術プランに問題があるかもしれないとか、選手選定や采配に問題があったのかとかということも考えているよね?

「監督」は絶対的な存在であり、監督が監督である以上、「監督」が勝てない理由になることはない。とでもいうような独裁体制になってしまっている、なんてことはないよね? まさかね。

もう少し、コメントを引用しよう。

鈴木政一監督の試合後の総括コメント(抜粋2)
――交代枠を使い切らない理由は?
トレーニングから選手を見ていることによって、この選手が入ることでどうなるのかという予測がつくんですよね。当然監督業というのは、そこでチームを助ける状況を作らなければいけない。目的を持って選手を送り出すこと、極端に言えば、3点、4点勝っているときに良い経験をさせるために、という交代もあると思いますが、今日のような展開では選手を入れることによってチームを助けるということを考えたときに、どういうタイミングでどういう選手を入れることが良いのかという判断になってくると、自分は思っています。

いやいやいや、練習どおりにいかないのが試合でしょ。思いもよらないことが、現場(ピッチ)では常に起こっているのよ。なんてことを素人に言わせる余地を与えないでほしい。

そのベストな「予測」どおりに行かなかったのが今回の試合なわけだけど、そんなときに、「予測」や「対応」が間違っていたという認識が監督のなかにあるかどうかを知りたいわけです。

コメントはこの後も続くが、選手交代の意図を説明しているだけで、結果に対するコメントはなかった。もちろん、サポーターに対するメッセージもない。

まるで、菅首相や小池都知事のコロナ対策に関するコメントや、東京オリパラ開催についての関係者のコメントを聞いているみたいだった。
つまり、自分の行ったことに対する判定は常に棚上げして検証せず、責任を取ろうとする気持ちはまったくない。典型的な謝れない人。常に楽観的な予測をしていて、何かが起こらないと動かない。状況が悪くなっても対応策は何も取らずに、「ゆるみ」が原因だの、さらなる「自粛を」と、責任を国民に押し付けるだけ。

疑問符を持っているのはこちらも同じだ。

鈴木政一監督は、何のためにジュビロ磐田の監督をつとめているんだろう。強化本部長も兼任しているのだから、「このチームを強化するのに最適な監督は俺」と思っているってことですよね。就任したときから思っていたけど、本気ですか?

昨シーズンの後半、チームがよい感じになっているように感じられたのは、前監督とのトレーニングの成果とうまくマッチした結果だったと思う。ベースのサッカーがしっかりしていれば、「ジュビロらしいサッカー」を突き詰めていく可能性はあるかもしれない、そこに賭けてみるしかない。それに、もしかしたら「運」は持っているかもしれない。なんだかんだいって「ジュビロらしいサッカー」が嫌いなはずもないので、様子を見ていたけれど、もうちょっと無理です。

ところが鈴木政一監督は、昔のような「ジュビロらしいサッカー」を求めるだけ(のように見える)。そのために何が必要かということを考えることもしていない(ように見える)。コンディション管理が心配になるほど特定の選手が酷使され、どこまて行っても選手の問題にされる。

自分のやり方を通して勝っているのならまだしも、勝てない理由を選手に押し付ける。選手をリスペクトしない監督に、自分のやり方をアップデートしようとしない監督に、サポーターとしては選手を任せるわけにはいきません。

昨シーズンのジュビロは、J2の全てのチームに自信を与えてしまった。どんな戦力のチームでも、戦い方によっては「勝てる相手」と目覚めさせてしまった。自ら、勝ちにくくしてしまったというのが私見です。

その意味で、今期開幕戦の琉球戦は、大きな負けでした。今シーズンのジュビロは昨シーズンとは違うのだということを見せつけなきゃいけない試合だった。あの負けが、またしてもJ2のほかのチームを調子づかせる流れをつくってしまった。

もちろん、また、いい試合をすることはあるかもしれない。でも、それが続くことはないし、J1に昇格できる可能性も極めて少ないと、レノファ山口戦で確信した。監督が今のやり方を変えようとしない限り。

一日も早く、辞任していただきたいです。再スタートしましょう。


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