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【本紹介♯154】リアル寄りファンタジー

久しぶりに伊坂さんの小説を読みました。
一時期SFに寄りすぎてて少し距離を取っていたのですが、またいい感じの伊坂節が効いていて
ファンタジー要素はばっちり入ってるんですけど、限りなくリアルに近づいてきてくれたなあと好感を持ったので、ご紹介しようと思います。

伊阪さんの好きなところは、会話の軽快さと伏線の回収っぷり、痛快な展開ですかね
だいたい出てくる職業が、限りなく日常生活で会うことのないものばかりなのですが、今回はサラリーマン・芸能人・政治家がメインと
比較的リアル寄り…かなと思いました。

というか、途中まではファンタジー要素今回なしか!?と思ってたんですが
中盤から急に出てくるっていう。。逆に安心感ありましたね。

あまり言うとネタバレになってしまうので難しいのですが
一番いいなと思ったのは、他力本願になりかけていた主人公が結局は自分の力で何とかしないと!と危機を乗り越えようとするところです。

展開的にぜったい自分には起こらないであろうイベントだとは分かっていながらも、気持ち面ではかなり沁みました。
自分もどうかすると、他力本願になりがちだったなとか。

伊阪さんの本はいつもハッピーエンドが多いので、安心して読めるのもいいです。
今回は絶体絶命度が高くて、わりと読むのがつらい場面もあったのですが
気持ちよく終われてよかったなと。
読了感はとてもいいです。

ちりばめられた伏線を綺麗に回収していくところは見事としか言いようがなく、あの気持ちよさを出せる作家さんは少ないんじゃないかと思います。
伊阪さんの伏線って、ほんと突拍子もないというか、それ組み合わせる?みたいな奇抜な伏線が多いので、これがどう回収されるんだろう?といつもワクワクさせられます。

感染病が大きなテーマの一つっぽいのですが、コロナと関係しているのかしら…
もしコロナを感じるのが嫌だという方は、やめておいた方がいいかもしれません。

ワクワクが足りていない方にはオススメできる本だと思います。

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