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特捜最前線「ナーンチャッテおじさんがいた!」

 1970年台から80年代にかけて、長寿を誇る刑事ドラマがあった。テレ朝系「特捜最前線」である。

 マイティジャックの二谷英明、仮面ライダーの藤岡弘、アカレンジャーの誠直也、キョーダインの人、西遊記の豚の人なんかが出ていた。そこで別名「特撮最前線」。

 この頃の西田敏行はめちゃくちゃ忙しくて、並行して撮影されていたか覚えていないが、泣いてたまるか、サンキュー先生、池中玄太80キロ、西遊記、そして特捜最前線に出演していた。

 当時、学研のボムという雑誌にインタビューがあって、明治大学出身。同窓生はGmen`75 に出演していた原田大二郎。こっちは明大で教えているらしい。池中玄太2で、坂口良子を娶る敵役だった。

 「特捜最前線」で西田敏行主演の回で傑作と言われているのが「ナーンチャッテおじさんがいた!」。渋谷の東方生命ビルに事務所を設けている特命課だが、扱う事件は下町で、舞台は京成線と思われる架空の路線の車両内。

 車内に乗客を笑わせる変な「ベロ出し」おじさんがいると騒ぎになり、西田が駆けつけた。おじさんの様子がおかしく、訳ありではないかと思って、そのおじさんの自宅を見つけて、そこで事情を聞く。

 車内では道化をやっているが、自宅では息子の遺影に手を合わせていて、キャラが全く違う。馬鹿なことをやっているには理由があって、沿線で殺された息子がいまわの際に聞いた犯人のキレやすい特徴で「ぶっ殺してやる」が口癖で、それを手がかりに、京成線と思われる架空の路線内で目立つことをして、独自に犯人探しをしていた。

 西田はベロ出しおじさんのファンになり、一緒に捜査することになった。何日もやっていると、社内のいざこざが発生し「ぶっ殺してやる」という鋭い声を聞く。ベロ出しおじさんは「あの人です」と指差すが、高齢のために追うことができない。

 代わりに西田敏行が向かい、駅を飛び越え、空き地に追い詰めると、「ぶっ殺してやる」男の振り回すナイフにワイシャツを切られる。だが、西田は全く怯む様子がない。その姿に恐れをなした犯人は西田を背にして逃げ立とうとするが、マウントポジションを取られ、犯人は、電車内であざ笑われながらも息子の無念を晴らすために一人で犯人探しをしていたベロ出しおじさんの魂が移ったかのように、西田によってタコ殴りにされる。その姿がかっこいい。

 

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