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【若者が良く使う方言3選〜第2弾〜】 宮古島の方言その7

 みなさんこんばんは!以前紹介した【若者が良く使う方言5選】の記事ですが、筆者がこれまでに執筆した記事の中で最も閲覧数が多く、みなさんの関心が大変高い内容であることがわかりました👏
 そこで今回は『若者がよく使う方言』の第2弾をご紹介致します!今回もわかりやすいように例文と共に解説致しますので、是非最後までご覧ください。

1. さいが

 まず初めにご紹介するのはこちらの方言。以前【接尾語方言3選】をご紹介しましたが、この『さいが』も接尾語に当たります。宮古島ファンなら1度は聞いたことがある、という方も多いのではないでしょうか?
 標準語に訳すと「〜じゃん!」になりますが、実は汎用性が高く単語の意味を強調したい時などにも使われますので、必ずしも「〜じゃん」と訳せるわけではありません。「〜だ!」や「〜!!(強調)」という意味にもなり得ますので、どちらの意味で使われているのかは文脈で判断するしかありません。
 ちなみに『さいが』は若年層だけではなく、年配の方もよく使います(むしろ年配の方のほうが使っているかも…?)。それではいくつかの事例を見てみましょう!

【使用例①】思わぬ友人が飲み会に来ているのを見てひとこと
宮古方言:○○も来ているさいが!
標準語訳:○○も来てるじゃん!

【使用例②】母の言いつけを忘れた弟に対して
宮古方言:お母さんがあんなに言ってたさいがよ
標準語訳:お母さんがああ言ってたじゃん

【使用例③】なにか凄いことをやってみせた人に対して
宮古方言:だいずさいが!
標準語訳:凄すぎ!!
※前回は「だいず」=「めっちゃ」とご説明しましたが、「さいが」と一緒に使われると本来の意味とは全く異ります。

【使用例④】自分のだと思って持って帰ろうとした携帯が相手のだった時
宮古方言:あ、これあんたのさいが
標準語訳:あ、これ君のだった

2. ねーよー

 「ねーよー」は、会話を切り出す際に使われるものです。実はこれも方言だとは知らずに那覇で使い、友達が「???」という顔をしたのでその時初めて方言だと知りました。衝撃だったなあ。。。
 「ねーよ」は標準語で言うところの「あのさー」が最も近いニュアンスを帯びていると思います。しかし関東の人たちと話していると、「ねーよー」のように会話の初めに何かを言うことはごく少なく、唐突に会話をスタートさせる人が多い印象です。
 例えば昨日の出来事について話すとしましょう。標準語話者の方は「昨日ね、○○したんだけど」と話を切り出すのが多く見られるのに対し、宮古島の人は「ねーよー、昨日○○したんだけどさ」と話を切り出すのが多く見られます。
 以上のことから、「ねーよー」は単語として特定の意味を持っているというよりは、「これから話しますよ」という「呼びかけ」としての機能を持っているといえますつまり感嘆詞です。標準語の感嘆詞の「呼びかけ」として代表的なものに「おい」がありますが、「おい」も単語として特定の意味を持っているというよりは「相手の注意を引く」という機能を持っていますよね。ニュアンスを掴むまでは少し難しいかもしれませんが、例文を見てなんとなくでもイメージしてみましょう。

【使用例①】明日予定が空いたので、友人を遊びに誘うとき

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【使用例②】昨日あった出来事を友人に話すとき
宮古方言:ねーよ!そういえば昨日さ!
標準語訳:(ねーねー!)そういえば昨日さ!
(やっぱり標準語だと突然話すのが普通ですよね…??)

3. して

 「それで」という意味の接続詞です。それ以上でもそれ以下でもないので他に説明することはありません(笑)解説が短いですが、さっそくいくつか例文をみてみましょう。

【使用例①】相手の話の続きが気になるとき
宮古方言:「昨日好きな人に告ったさーよ」「して?
標準語訳:「昨日好きな人に告ったんだ」「それで?

【使用例②】「それで」という接続詞として使う時
宮古方言:この前 *カママ 行ったさーよ。してその時に *口の中入ろうとした わけさ。でも狭すぎて無理だった。
標準語訳:この前カママ行ったのね。それでその時に口の中に入ろうとしたんだけど、狭すぎて無理だった。

*カママ=カママ嶺公園のこと。
*口の中入ろうとした=カママ嶺公園にはシーサーの形をした滑り台があり、シーサーの口の中に入ることができます。(でも子供用なので少し狭いです笑)

4. さいごに

 【若者が良く使う方言3選】第2弾はいかがでしたか?今回もかなり頻出度の高い方言をピックアップしておりますので、宮古島での旅行を存分に楽しみたい方、宮古島への移住を本気で考えている方は習得必須です!
 方言講座を執筆するたびに毎回感じるのですが、これまでに自分が何気なく(というかほとんど何も考えず)話していた言葉を文法的に解説するのは新しい発見があり、自分自身も非常に勉強になります。「おい」が感嘆詞だと思いながら使っている人がいないように、宮古島の人も「ねーよー」が感嘆詞だと思いながら使っているわけではありません。改めて母国語(方言)を学び直してみることで見える世界を、最近楽しんでいます。
 これからも、私にとっても皆さんにとってもタメになる記事を執筆して参りますので、引き続きよろしくお願いします!


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おことわり
本記事は筆者が実際に話していた言葉や見聞きした事に基づいて作成しております。専門家による監修等は行われておりませんので、学術論文の執筆や学術研究を目的とする本記事の引用、参照等は推奨出来かねます。予めご了承ください。



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