ジャニーズ性加害問題についていちジャニオタが記す

ジャニーズがジャニーズでは無くなった。
このタイミングで、いままで書いてこなかった性加害問題について、ジャニオタを公言している物書きの端くれとして一意見を書きたいと思う。

ものすごく正直に言えば、ジャニー氏による加害行為については、「うっすら知っていた」というのが回答になる。行為の内容は知らなかったし、こんなに多くの人が被害に遭っていたことも知らなかった。けれど最初のカウアン氏の告発が出たとき、そんなはずはない、とは思えなかった。おそらく本当なんだろうな、と。そう思った時点でこれまで彼らのキラキラだけを見て、都合の悪い生臭い問題からは目をつぶってきたことに気がついた。

『光GENJIへ…』という本の存在を、騒動になる前からなんとなく知っていた。読んだことはないけれど、被害に遭った人がいたことは認識していた。その告発が握りつぶされたことも。

告発者がジャニー氏が亡くなったタイミングで口を開いたのは、メディアに対するジャニーズの強権をずっと見せつけられてきて、何を言ったって握りつぶされるということがわかっていたからだと思う。これまでジャニーズタレントのしでかしたさまざまなスキャンダルがもみ消されてきたことからも、それはあきらかだ。

ジャニー氏が若い男の子を好きなのは公然の秘密みたいなものだった。よほど純粋な人か若者じゃないかぎり、噂を聞いたことくらいはあったんじゃないだろうか。若い男の子に性的欲望を抱くことそれ自体は、内に秘めているかぎり責められるものではない。
だが、彼はそれを子供たちにぶつけた。絶対に許されないし、許せない。大前提として、男でも女でも、双方が望まない性行為は暴力である。そしてそれが未成年なら、「望んだか望まなかったか」などという問答すら不要だ。彼らが望もうが望まなかろうが、許そうが許さまいが、性的欲望をぶつけてはいけない。欲望は、律するべきなのだ。だがジャニー氏は、自分の欲望を望まない人たちに叩きつけ、傷つけ、平気で生きながらえてきた。泣き寝入りを強いられた被害者はさぞ悔しかったことだろう。

死者を裁くことはできない。罪を認めさせることも、謝罪も望めない。事務所に遺された人間がその責めを負わされるのは気の毒だとは思うが、これが会社に所属するということなんだとも思う。わたしレベルのちんくしゃですら、前任者からぐちゃぐちゃのまま丸投げされた業務について集中砲火を受けて、それはオレじゃなくてアイツがやったんだよと言いたくなることはある。でもそれは不誠実だ。事務所には、できうる限りの補償と誠意を被害者に返してほしいと思う。

そして個人の感情の話をすれば、わたしは、それでもA.B.C-Zが好きだ。責められるべきはジャニー氏とそれを諌めてこなかった周りの人間であり、所属するアイドルたちではないと思う。ここで初の熱愛を出しちゃう自担にはちょっと泣き笑ったけど、まあ、幸せならいいよ。雑にそう思う。幸せならいい。他の人たちにも、そう思ってる。

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