推しが増えた話
きのうは東京で「ABC座ジャニーズ伝説2018」を観てきました。内容に言及したいのも山々なのですが、ひとつ個人的な事件が起きたのでそのことについて書こうと思います。
推しが、増えた。
ええ、これです。年季の入ったジャニオタの方ならこれだけで、ああ…と思うでしょう。推しがいるはずのジャニーズのグループの舞台を観に行って、推しが増えた。つまり、バックにいるジュニアに落ちたな、と。
そのとおりです。
ではそれは誰か。
Travis Japanの川島如恵留くんである。
きっかけは去年のABC座。舞台の終盤、音楽が流れるなか、その舞台に出ていたグループ名のあるジュニアたちがひとりずつ短くパフォーマンスして、自分の名前を言う、という自己紹介タイムがあった。
わたしはジュニアにはぜんぜん詳しくなく、A.B.C-Zの後ろについていたSnow Manだけはかろうじて顔と名前が一致する、という程度だった。なので、トラジャもMADEもそこで初めて名前を知った。こういう子がいるのね〜、とか、しちごさんって入ってんだすごいな〜(※七五三掛龍也(しめかけ・りゅうや)くんのことです)とか呑気に思っていた。
その子は、他の子とぜんぜん違った。
細身の体で、信じられないくらいの勢いで連続バク転バク宙。長い手足。そして無音で地面に降り立つと笑顔で叫んだ。
「川島如恵留!」
わー!と思った。すごい。すごすぎる。この子、すごい。
そこで、彼の名前をおぼえた。はっきりと。
しかしわたしは記憶力があやしいうえにマメではないおたくなので(ジャニーズJr.のおたくはマメじゃないとつとまらないと思う。そもそもあまり単独で地上波にでないので、メインのグループが抜かれまくる歌番組で、バックに誰々と誰々がいる!!って目を走らせて気づけるとか、ドル誌をちゃんと買うとか、それこそ誰の舞台に自分の推しが出るのか調べられるとか)、顔と名前が一致しないまま一年が経った。
そして昨日。なんだかやたら目を惹く子がいるなと思った。ずっと目で追ってしまい、一瞬だったが塚田が出ているときでさえ、彼を目が探して離れなかったことすらあった。それくらい目を奪われた。強い力だった。
そしておとずれたジュニアのメンバー紹介タイム。その子はいちばん最後に出てきて、助走をつけて完璧な連続バク転バク宙を決め、そして笑顔で言った。
「川島如恵留!」
その瞬間決まった。あ、推そう。湧き上がる多幸感と、きらめきの残像。天啓のようだった。圧倒的な力に捩じ伏せられたいというわたしの欲望が、瞬間満たされた。瞬間で充分だった。わたしのこの欲望には果てがないから。
こうしてわたしに四人目の推しができた。彼のおかげでなんだか息を吸うのもたのしい。仕事も量的にはかなりピンチだが、精神的には絶好調である。かっこいいとこ見せたいと思ってしまう。
たぶんこのことを、わたしはおたく以外に話すことはないと思う。説明することもない。わかってもらう必要はない。わたしが彼を好きなら。
わたしはよくこういう物の考え方をする。自分の好きなものを他人に承認してもらう必要はない、わたしがわかってさえいればいい、と。
でもそれは、他人に興味がないからじゃなく、ほんとはわかってほしいからなのだと最近気づいた。わかってほしいのに、わかってもらえなかったり軽んじられたりすると傷つくから、それならはなから理解されることを諦めたほうが楽だから話さない、そういうことなのだ。そうじゃなきゃ、話をして理解してもらえたときの、あの溢れる多幸感の説明がつかない。
いまは、とりあえず彼らの主演舞台に行ってみたい。そのためにジュニアのファンクラブに入るかどうかが、目下わたしの幸福な悩みです。
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